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Channel: 古代史の道
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旧暦と新暦

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 3月3日は桃の節句で、ひな祭りとも呼ばれる。相棒から「桃の節句なのに桃が咲いてないね」と言われたことがある。これは、ずっと長い間、太陰太陽暦と呼ばれる暦が使われていたことと関係している。明治になってその暦が太陽暦と呼ばれる現在の暦に改められたので季節のズレが生じている。太陰とは月、太陽とは太陽のこと。この両者をぴったり一致させることは至難の業。なぜなら、平均朔望月は29.530589日でぴったり30日ではない。平均太陽年は365.24219日でぴったり365日ではない。この小数点以下が5桁も6桁にもなる両者を一致させるなんて神業だ。
 要するにこれ以上の知識は暦の専門家でもない私たちには不要だろう。かっては従来の暦は旧暦、現在の暦は新暦と呼んで使い分けていた。それも「明治は遠くなりにけり」で今ではほとんどの人は新暦の感覚だ。私たちが記憶しておかなければならないのは、旧暦と新暦はおよそ一ヶ月ずれていること、この一点だ。旧暦の3月は現行の4月にあたる、それだけのことだ。
 旧暦の3月3日は桃の節句、それは4月にならないと来ない。つまり、今月にならないと桃は咲かないことになる。旧暦と新暦はおよそ一ヶ月ずれていること、この一点さえ記憶しておけば旧暦に基づいた行事はたちどころに納得がいく。中国のお正月である春慶節も、我が国5月5日の端午の節句も旧暦に由来しているのである。神社などの祭礼にはこの旧暦に由来するものが残っている。
 現行のお正月はまだ冬の真っ最中。が、旧暦のお正月は一ヶ月遅れの2月、まさに立春といってよい時節なのだ。「いや、旧暦を正確にいうとだね」などと、知ったかぶりをしても始まらない。そもそも複雑怪奇な旧暦など説明のしようがない。旧暦と新暦はおよそ一ヶ月ずれている、このことさえ記憶しておけば私たちには十二分なのである。
              (2016年4月11日)
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