バラバラバラ

日々つれづれ－１1トップへ
　バラの季節である。種類が多く、垣根にも使えるので路傍のあちこちで見かける。小振りの花から大振りの花まで様々に目を楽しませてくれる。わが近在でも例外なく、今を盛りと咲き誇っている。
　　　茶舗に駐めふと見上げれば隣家からバラが顔出す赤白黄と
　　　薬屋の裏手に咲きし赤きバラ店を出てきて再度眺めし
　　　かくしてや運河の脇に咲けるバラはつらつとして運気帯びたり
　高等学校の門前、板塀の上からこぼれる花々。どこに出かけてもその道すがらバラに出合う。今ではここ日本でもバラは五月の最も代表的な花になってきた。
　幸いここ数週間、五月らしい好天に恵まれ、暑いくらいである。この私には機会がないが、野外に大勢で出かけ、手につけたり胸に飾ったりして、踊り、手拍子を打って明るく転げ回りたい、そんな陽気に誘われる五月である。そんな季節にバラはうってつけであり、両手を広げて深呼吸したいくらいである。
　「薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク　ナニゴトノ不思議ナケレド」とは北原白秋の詩であるが、本当にその通りである。バラは五月が最も美しい。私の頭の中に思い浮かぶのは鶴舞公園のバラであるが、早速そこへ出かけてみようかな。これから、そう、これからである。
　どこもかしこもバラ、バラ、バラである。わざわざ鶴舞公園まで出かけなくと、一歩外に出て道を歩けば路傍に、今を盛りとバラは咲き誇っている。それを承知でやはり鶴舞公園に出かけたくなる。
　　　薔薇の木を見ればまたまた別の薔薇さらに別薔薇見たくなれるや
　本当に元気をもらうバラの木である。そうしてそのバラは今が真っ盛り、どの人も輝いて見える美しい季節である。
　　　　　　　　　　　（２０１５年５月２３日）