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Channel: 古代史の道
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難渋

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 口内炎から10日余、やっと口内炎から解放される日がやってきた。まだ若干痛みが残っているが、食事がなんとか普通に取れるようになった。食事ひとつ取ることがこんなに辛いものとは思わなかった。
   毎日の食事取るのに難儀する地獄の沙汰はこのこというや
   たとえれば閻魔大王怖くなしこの目前の汁さえ飲めず
 顔をしかめ、やっとカステラを指先で口中に入れる。そして形ばかりの咀嚼を試みる。おそるおそるに・・・。最悪期など痛くてなかなか飲み込むことが出来ない。舌で味わうのに、その舌自身が邪魔になって、引っこ抜きたくなる。一切れ飲み込むのに難渋する。二切れ目はもっと難渋する。さりとて、カステラ以外に咀嚼したり飲み込んだり出来ない状況下。二切れ処理するのに十数分の苦渋。三切れ目を取ったものの、ああでもない、こうでもないと考えて、結局は食べるのをあきらめる。
 一回の食事がこんなにも苦渋に満ちた難行だとは知らなかった。これまでの口内炎とは桁違いの難渋だった。それでも、水くらいは嚥下しなくてはなるまいと、コップの水を口に含む。痛みに耐えて一気に嚥下する。一呼吸置いて、二口め。そろそろと口に含む。そして一気に嚥下する。
 大袈裟ではない。たかがコップ半分の水を飲むのにひと苦労。額に汗が噴き出している。なんということだ、本当にコップ半分の水だというのに・・・。
   あまりにも口内炎の痛さゆえ我が人格などどうでもいいや
 むろん、こんな風に思ったのは最悪期の二、三日。本日になってやっと解放に向かい、まるで嵐のようないっときだったと思う。もともと私に人格などあるはずもなく、それはどうだって構いはしないが、苦渋はほんの隣り合わせに存在すると思った次第である。
          (2015年6月26日)
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