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Channel: 古代史の道
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チューリップ

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 今回は伝統文化その3として、短歌を例題に捕らえて一文を綴ろうとした。が、俳句の場合のように、なかなかすんなりと考えがまとまらない。なので短歌は後回しにして今回はチューリップの話題。
 昨日、英会話の例会に出席したが、その会場、愛知県青年会館の玄関前にチューリップが咲いていた。チューリップというと、オランダが有名だ。日本の場合は歴史が浅く、幕末に始まり、明治時代になって盛んに栽培されるようになった。つまり、季語の課された俳句にはなじまないように見える。窮屈この上ない俳句世界、それみたことかと、より自由な一行詩派の人々に言われそうだ。が、どっこい、俳句は窮屈に見えて実は懐が深く広いのだ。チューリップはちゃんと春の季語に入っている。
 実際に私自身が作句したのでごらんいただこう。
   チューリップ英会話する声聞こゆ
   紅茶飲み話に花咲くチューリップ
   ショパン弾くピアノ流るるチューリップ
   病院の窓から指さすチューリップ
 いかがであろう。梅や桜の時代からチューリップが増加してもちゃんとそれに対応した句を作ることが可能なのである。一見窮屈に見えながら、ちゃんと時代の推移にも対応できる力を俳句は秘めている。こうした懐の深さなり、幅の広さがあるからこそ、日本伝統の文化として俳句は根付き、幾世代にもわたって詠み継がれてきた。いっときの運動やブームに踊らされることなく、営々と営まれ続ける力を持っているのである。このように私には思われてならないのである。青年会館の玄関前に咲く豪華にして美しいチューリップよありがとうと、私はつぶやいた。
              (2016年4月3日)
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