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Channel: 古代史の道
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方向音痴気味

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 私は方向音痴気味である。たとえば、若い頃の話だが、新宿の喫茶店でデートしたことがある。私にとっては念願の女性とのデートだったのだが、席に落ち着くまでもなく、用を足すために中座した。最初の店だったこともあって、お手洗いの場所が即座に分からず、しばしキョロキョロして用を済まし、出てきた。ところが、なんと彼女の場所が分からず、広くもない店内を探し回り、必死に手を振ってくれた彼女が目に入るまで5分ほどもかかってしまった。つまり、恥ずかしい話だが、完全無欠の方向音痴である。
 さて、それを「方向音痴気味」とわざわざ「気味」を付したのは、方向がしょっちゅう分からなくなるわけではないからだ。常時音痴なら、一人では外出出来なくなる。私はあちこち訪ね回るのが好きで、いくつもの離島を訪ね、約200箇所に及ぶ神社や寺を単独で巡り歩いた。つまり「方向音痴気味」とわざわざ「気味」を付した理由だ。が、基本的に私は方向音痴である。道をまがってしばらく行くと、どこから曲がってきたのか分からなくなる。ああでもない、こうでもないと探し回った経験は数え切れない。
 このように方向音痴気味の私だが、山中を歩き回り、不案内の土地を歩き回ったりしながら、なんとか行方不明にもならず、こうして無事に生きている。同じ方向音痴気味の相棒からさえしばしば「しっかりしてよ、私より方向音痴、方向音痴」と笑われ、馬鹿にされながら生きてきた。
 が、そんな私にもひとつだけ救いがある。「急がば回れ」、「そんなに急いでどこへいく」という、いわばゆったり精神が身についていることである。むろん、自分が方向音痴気味だという自覚があるので、ある場所を訪ねる際には30分前に到着するように心がけ、現地に着いたら、二度と来ることはないだろうなと思うから、しっかり見て歩く。
 それにしても最初のデートで相手の場所が分からないなんて自慢出来ませんね。
            (2016年6月6日)
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