Quantcast
Channel: 古代史の道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

百日紅の季節

$
0
0
日々つれづれ-13トップへ
 百日紅(サルスベリ)が真っ盛りである。昨年は左眼の手術を控えた時期だった。白内障だと思っていたので、入院しなくとも、10分ほどの手術で済むと簡単に考えていた。ところが緑内障に発展するかもしれないというので、3時間もの大手術となった。手術日(8月11日)の前から入院し、入院期間は一週間余に及んだ。緑内障になるのを防止するための手術ということだったが、むろん下手をすれば盲目になるかもしれないという恐怖があった。専門のドクターのこと、万が一にも手違いはあり得ないと思っていた。しかし、にもかかわらず、心の底では恐怖におののいた。
 退院後、そんな私を楽しませてくれたのが百日紅だった。紅、白、桃ととりどりに、梢の先端に群がって咲く百日紅。来年も同じようにこの花を観賞できるだろうかという不安がよぎった。が、月日も無事に経過し、今日を迎えるに到った。
 私の住む近在に豊臣秀吉を祀る豊国神社(中村公園)がある。その前から東宿町(西方)にかけて数百メートルにわたって百日紅の並木が続いている。一週間ほどしかもたない桜と異なってえんえん百日間にわたって咲き続ける。
   手術の日思い出させる百日紅目に光り射す不思議な思い
   白と紅桃も混じりて百日紅ユリカモメ飛ぶ季節過ぎしや
   なぜか不意に桃巌寺浮かぶ百日紅千種区の地にも咲いていたりや
   百日紅真白き花の美しき季節めぐり来再会果たす
 私はよたよたとした足取りながら、ゆっくり、ゆっくり、百日紅の並木道を歩みながら思った。とにもかくにも、こうして無事に生きていることがありがたい。もしも病床に伏すことになれば、いかに思いが強くとも、百日紅の並木道を歩むことは出来ない。ようし、まだまだ元気でいなければ目標の貫徹は出来ないぞ、と自分自身を鼓舞した。
           (2016年7月30日)
イメージ 1


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

Trending Articles