望外の喜び

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　区切りは何もすることがなければ区切りにならない。あれもしなきゃあ、これもしなきゃあと思っていたことが終了すると、ほっとするとともに、一種の爽快感に見舞われる。人と会う。買い出しをする、掃除をする等、何でもいいが、思っていたことが片づくと本当に「ああ、やっとこれで区切りがついた」という気持になる。
　私の場合は、師走に入ってから東京の友人と六年ぶりに顔を合わせたのを手始めに、やはり、親友づきあいをさせていただいた友人にも五年ぶりに顔を合わせた。毎月通院している病院を済ませ、ささやかな鏡餅を飾り付ける等種々の雑用も片づけた。最後に残っていたベランダの窓拭き。昨日の朝になってやっと取りかかった。三十分もあればと思っていたが、意外に手間がかかり、一時間余を費やした。午前中に拭き終わり、ほっとしたところに、午後になって相棒から連絡が入った。
　「チビ君（飼い猫）の顔がどうしても見たい」という。で、私は彼女の実家がある小牧市まで車を飛ばした。正月明けにかけての十日間ほどは顔を合わせることはないと思い込んでいたので、迷惑といえば迷惑ではあった。が、十日間ほどは孤独をかこつ日々が続くと覚悟していたので、望外の喜びと言えば言えた。
　これでやっと今年の区切りがついた。最大の喜びは、この区切りまで大した怪我も病気もなく無事にたどりつけた事である。さらに相棒と大した波乱もなくこられたのは、望外の喜びだった。
　最後に、こうして一文を綴り、挨拶出来る喜びである。皆々様、本当にお目通しいただき、ありがとうございました。皆々様にとりまして好い年となりますようお祈りします。
　　　望外の喜びとともに暮れゆける窓外の屋根に鳩が二三羽　　（桐山芳夫）
　　　来年は来年こそはと誓いたる言葉は同じ来年こそは　　　　（桐山芳夫）
　　　　　　　　　　　　　（２０１７年１２月３１日）