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最近若者言葉が話題になっている。日本語の変化と説く専門家もいるが、そうだろうか。単に古くて新しい問題であるような気がしてならない。いつの世も若者言葉というのがあって、いっとき使われるお仲間用語なのではないかと思うのである。
たとえば、少し前までKY(空気が読めない)とかキモイ(気持ち悪い)とかマジ(真剣に)がよく使われていたが、次第に使われなくなりつつある。代わってパリピ(パーティ好き)とかBFF(親友)とかオクチョ(送ってちょうだい)等々続々と若者用語が登場しつつある。本来お仲間用語なので、今使っている用語も、5,6年もすると新たな若者が育ってきて別のお仲間用語が登場してくる。つまり、いつの世もお仲間用語が使われる。流行語でもない。流行語なら年代を問わず通用する言葉だ。
いっとき使われるお仲間用語では日本語を変化する力はなく、その多くは変化と呼べないだろう。
ところが、ここに日本語の変化と呼べるものがある。「全然」、「気が置けない」といった例だ。全然は本来否定を伴う用語で「全然なってない」といった使い方をする用語だ。これを「全然すばらしい」と肯定に使う。また、「気が置けない」だが、本来「気遣いしなくてよい」という用語だが、反対に「気を許せない」という意味に使う。これらは誤用に基づく用語だが、これらは長年月にわたって浸透し、広辞苑にも載っている。
以上のようにお仲間用語は仲間内で使われる言葉で、日本語の変化を示すものではなく、いわばいつの世にも現れる古くて新しい現象だと私は思っている。長年月をかけて定着してきた、いわば古来からの用語を基礎として習得し、その上でお仲間用語を使う分なら、それはそれで悪くはない。暗黙の内に連帯意識が醸成され、それはきっと日本人同士という意識をもたらすだろうからである。
(2018年5月10日)
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最近若者言葉が話題になっている。日本語の変化と説く専門家もいるが、そうだろうか。単に古くて新しい問題であるような気がしてならない。いつの世も若者言葉というのがあって、いっとき使われるお仲間用語なのではないかと思うのである。
たとえば、少し前までKY(空気が読めない)とかキモイ(気持ち悪い)とかマジ(真剣に)がよく使われていたが、次第に使われなくなりつつある。代わってパリピ(パーティ好き)とかBFF(親友)とかオクチョ(送ってちょうだい)等々続々と若者用語が登場しつつある。本来お仲間用語なので、今使っている用語も、5,6年もすると新たな若者が育ってきて別のお仲間用語が登場してくる。つまり、いつの世もお仲間用語が使われる。流行語でもない。流行語なら年代を問わず通用する言葉だ。
いっとき使われるお仲間用語では日本語を変化する力はなく、その多くは変化と呼べないだろう。
ところが、ここに日本語の変化と呼べるものがある。「全然」、「気が置けない」といった例だ。全然は本来否定を伴う用語で「全然なってない」といった使い方をする用語だ。これを「全然すばらしい」と肯定に使う。また、「気が置けない」だが、本来「気遣いしなくてよい」という用語だが、反対に「気を許せない」という意味に使う。これらは誤用に基づく用語だが、これらは長年月にわたって浸透し、広辞苑にも載っている。
以上のようにお仲間用語は仲間内で使われる言葉で、日本語の変化を示すものではなく、いわばいつの世にも現れる古くて新しい現象だと私は思っている。長年月をかけて定着してきた、いわば古来からの用語を基礎として習得し、その上でお仲間用語を使う分なら、それはそれで悪くはない。暗黙の内に連帯意識が醸成され、それはきっと日本人同士という意識をもたらすだろうからである。
(2018年5月10日)