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先週、久々に相棒を小牧の実家に送っていった。彼女は運転ができないので、送迎の役割を私が勤めている。と言いながら、実は私の照れ隠しであって、私のような者につき合ってくれる彼女だけに、喜んでその役割を引き受けている。今回も彼女を送り届けた後、喫茶店で待つことにした。
8月にデジカメを忘れるというドジをやらかした、喫茶やまざとである。小牧山の麓にある喫茶店だが、老夫婦でやっている店である。顔なじみになり、小牧に寄るとたいてい寄ることにしている。
さて、店の前に車を停め、店内に入る前に店の背後に回ってみた。そこは小牧山の麓の小川で、時に美しい花が咲いている。今回は青い鮮やかな花で、どう見てもアサガオ。が、10月下旬に咲いている。何だか季節はずれである。時刻も昼下がりで、アサガオというよりヒルガオのように思われた。が、鮮烈さはアサガオ。何だろう、何だろうと気にしながら、玄関に回って店内に入った。
注文を取りに来た女将さんに、今撮ってきたばかりの写真を見せると、彼女は言った。
「ああ、これアサガオ。二週間ほど前まで玄関に咲いてました。つるがずっと延びていって、川べりまで行って花開いたのね」
私は驚いて女将さんの顔を見つめた。玄関前から川べりまで十メートルほどもあろうか。季節はずれとも見える時期も何のその、何というたくましい生命力だろう。私は彼女に断わって店を出、太くたくましく延びたつるをたどって先刻のアサガオをしげしげ眺め、店に戻ってきた。
私にしては大変な発見だった。いつ相棒が終わるとも知れなくて、一見大変な待ちぼうけに見えるが、何々私は少しも退屈しなかったのである。
(2018年10月26日)
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先週、久々に相棒を小牧の実家に送っていった。彼女は運転ができないので、送迎の役割を私が勤めている。と言いながら、実は私の照れ隠しであって、私のような者につき合ってくれる彼女だけに、喜んでその役割を引き受けている。今回も彼女を送り届けた後、喫茶店で待つことにした。
8月にデジカメを忘れるというドジをやらかした、喫茶やまざとである。小牧山の麓にある喫茶店だが、老夫婦でやっている店である。顔なじみになり、小牧に寄るとたいてい寄ることにしている。
さて、店の前に車を停め、店内に入る前に店の背後に回ってみた。そこは小牧山の麓の小川で、時に美しい花が咲いている。今回は青い鮮やかな花で、どう見てもアサガオ。が、10月下旬に咲いている。何だか季節はずれである。時刻も昼下がりで、アサガオというよりヒルガオのように思われた。が、鮮烈さはアサガオ。何だろう、何だろうと気にしながら、玄関に回って店内に入った。
注文を取りに来た女将さんに、今撮ってきたばかりの写真を見せると、彼女は言った。
「ああ、これアサガオ。二週間ほど前まで玄関に咲いてました。つるがずっと延びていって、川べりまで行って花開いたのね」
私は驚いて女将さんの顔を見つめた。玄関前から川べりまで十メートルほどもあろうか。季節はずれとも見える時期も何のその、何というたくましい生命力だろう。私は彼女に断わって店を出、太くたくましく延びたつるをたどって先刻のアサガオをしげしげ眺め、店に戻ってきた。
私にしては大変な発見だった。いつ相棒が終わるとも知れなくて、一見大変な待ちぼうけに見えるが、何々私は少しも退屈しなかったのである。
(2018年10月26日)