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迎春飾り

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 私にとって年の節目となるのは有馬記念に続いて迎春飾りの据え付けである。子供の頃両親は門前に立派な門松を据え、玄関には大きな鏡餅と注連飾りを据え付けて新年を迎える準備を行った。鏡餅といっても現代のように買ってくるのではなく、臼で突いた自家製の餅である。突いたままの大きな餅をそのまま鏡餅にするのだからデッカイわけである。正確には記憶していないが、土台の鏡餅は二臼分、上に一臼分のっけるのだから立派なわけである。注連縄もたしか両親が手作りしたと記憶している。そうした家庭は当時珍しくなかったと思う。それが時代とともに一般家庭から消え、注文製になった。さらには大量生産となり、どこのスーパーに行っても買える時代になった。
 が、大切なことは、私には、子供の頃から続く年の節目意識がそのまま継続していることである。門松、鏡餅、注連飾り等々は数百年以上にわたって続く日本の伝統文化。どんなにささやかな迎春飾りといえども、それがないと私は落ち着かないのである。
 私が据え付けたのは千円札一枚でおつりがくるささやかな飾りだが、そんな飾りでも据え付けてみると、気持がしゃきっとした。
    包み解き迎春飾り取り出すにさわやかなるや風吹き抜けり
    かくしてぞ新たな年を待つ心地迎春飾りに両手合わせり
 迎春飾りは立派であるに越したことはない。そこに決意と緊張が生まれるのであれば、お金には代えがたい価値があるからである。が、私のようにささやかな飾りであっても、一陣の風が体中を吹き抜けていくような爽快さに満たされた。有馬記念に続く、第二の年の節目、無事通過である。あと残すは大晦日の大掃除のみである。
 私のことはさておき、年の節目を迎えるにあたり、皆様方にとって、来るべき新しい年が素晴らしい一年となりますよう心からお祈りして稿を閉じたいと思います。
            (2014年12月30日)
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