我が身を知らぬ

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　退院してきて３週間」。ケアマネージャーの「危ないから」という強い要請を受けて風呂に入らずにきた。浴槽につかるのは「危ない」と分かっていた。けれども、我が家にはシャワーがある。シャワーも手すりがつくまでは危険と忠告されていた。
　さて、３週間、風呂にも入らず、シャワーもかぶらず、という生活はさすがに我慢出来なくなり、自分の判断で、シャワーをかぶることにした。
　だが、自分の身体を目にして、愕然とした。入院中に１４ｋｇも激痩せした私のおなかはすっぽり取れ、おなかはしわしわになっていた。
　体重を計ってみると、なんと、退院時と変わらない。１４ｋｇ激痩せしたままである。えっ、３週間経っても１ｋｇも増加していない。自分ではかなり増加して体調良化しつつあると思っていたのに・・・。
　これでは危険なわけである。自意識と客観的な体調とは随分乖離している。これで転倒でもしたら大変。起きあがれなくなるのは、必定である。入院生活が長かった私に、全く筋肉の衰えは戻っていなかったのだ、ケアマネージャーの「危ないから」という忠告は正しかったのである。
　　　あまりにも体調知らぬ我なりきあせりにあせる我の悲しさ　　（桐山芳夫）
　急ぐあまり、転倒でもして再度起きあがれなくなれば、それこそいっかんの終わりである。人間、急ぎ過ぎていいことありませんね。剣呑、剣呑。しかし、我が身を知らないのはこの私だけかも・・・。
　　　　　　　　　　　（２０１９年３月２０日）