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Channel: 古代史の道
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新元号「令和」

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 私は、体力が戻りつつあり、「万葉集読解」を懸命になって書き直している。折りも折り、新元号「令和」が発表され、「令和」は万葉集から採録されたと発表された。実は、「万葉集読解」の完成を急いでいることを記そうと思っていた。が、「令和」が万葉集から採録されたと知った以上、急遽、こちらを優先せざることにした。
 問題の「令和」は815番歌に出てくる。正確にいうと、その序文に登場する。注釈なしで「通し」で読めるようにと懸命になっている私だが、分かりやすくしようと私は次のように記している。
 「これには序文が付いていて、大略以下の通り。」
 「天平二年(730年)正月十三日、一同太宰府師(長官)大伴旅人宅に集って宴会を催した。初春を迎えて、空気は澄み風はやわらかにそよぐ佳き日である。梅花はほころび蝶も舞い始め、山には雲がかかっている。この庭に集まって一同大いに初春を満喫し、梅花を愛でて歌作を楽しもうではないか」
 つまり、穏やかな初春を迎えて、九州太宰府の長官大伴旅人宅に一同集まって梅花を愛で、歌作を楽しんだ、というわけである。
 「令和」の「令」は命令の「令」ではなく、「喜ばしい」とか「穏やかで佳い」という意味で使われている。「和」はもとより、「和(なご)やか」ないし「穏やか」という意味で使われている。
 西暦700年代という、世界屈指の万葉集。その中から採録された「令和」。この、初春と梅花に満ちた新元号「令和」。世界屈指の万葉集から取り出された意義は極めて大きい。むしろ、今頃採録されたとは遅きに失するくらいである。私たちはこの平和に満ちた新元号「令和」を立派に育てていきたいものである。
           (2019年4月1日)
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