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Channel: 古代史の道
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興正寺

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 昨日、昨年来懸案となっていた八事山興正寺(こうしょうじ)を訪れた。仏寺にうとい私でも同寺が尾張地方屈指の名刹であることくらいは承知していた。ひと月前くらいに京都に生まれ、京都に30年余も住んでいた人と話していたら天下の金閣寺も銀閣寺もはたまた清水寺も行ったことがないと聞いて驚いた。いつでも行けるという気持があるから「案外そんなこともあるのかな」と思った。が、かくいう私自身が興正寺を訪ねたことがないのだからひとのことは言えた義理じゃない道理である。
 昨年から建中寺、日泰寺、福厳寺、竜泉寺等々けっこう近在の名刹を訪ね、かなりの量の写真を撮ってきてあるけれど、記事化しようと思いつつ果たせないでいる。なので今回の興正寺も早期に記事化に進めるか否か覚束ない。本欄では素描にとどめるしかないが、八事山全域が境内だったようで、大きな墓地も擁している。第一印象に残ったのは多くの人々に親しまれている寺ということだった。本堂、五重塔、大日堂等々多くの堂宇を擁していることはもとよりだが、基本的に堂宇は開放されていて、自由に出入りでき、庶民(衆生)が集まって来やすい雰囲気に包まれていた。私は半日かけて広い境内を歩き回ったが、全く敷居の高さを感じなかった。一言でいえば、大寺でありながら衆生の寺、それが私の受けた印象だった。
 普照殿に入った時だった。大きな仏画の両脇に勢至菩薩と観音菩薩の立像が真っ黒な台に置かれていて、台には金文字で「佛龕」と大書されていた。「龕」が読めなかった私はしたがってその意味も分からなかった。帰宅するまで気がかりでならなく、早速辞書にあたってみた。広辞苑に「佛龕(ぶつがん)」とあって、「仏像などを入れる厨子」とあった。「えっ!厨子も分からないって?」。「厨子はよく出てくる語。それくらいは自分で調べてよね」。ちょっとしたことだけど、出かけていくとこんな豆知識も手中にすることがあるんですね。
         (2015年1月17日)
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