ソメイヨシノ

日々つれづれ－１1トップへ
　２７日に大森寺（だいしんじ）に足を運んだのはいうまでもなく、癒しを求めてだった。が、寺の本堂を拝むことが出来ず、桜も二分咲き程度で、それでもなお、いささかもフラストレーションを覚えなかったといえば、嘘になる。こんな時、幸いにもわがお膝元には太閤秀吉を祭神と仰ぐ豊国神社、それに隣接して、生誕地ということで加藤清正を仰ぐ妙行寺がある。妙行寺は大森寺と並ぶ名刹の一つとされており、来訪して損はあるまい。これらは中村公園という大きな公園に配置されており、太閤池や図書館もある。が、私が期待しているものの一つに桜がある。
　四季折々ことある毎に公園に足を運び、多大の励ましと活力を得てきた。今回も。そう今回も。昨日は本格的な春の到来を思わせる温暖な気候。桜が一気に満開に達することが期待された。公園に足を踏み入れると、満開状態のソメイヨシノに迎えられ、期待に違わぬ美しさい息を呑んだ。
　ぽつぽつと人影が池の周囲を往来し、なかにはシートを敷いて早々と花見を楽しむグループの姿が目に付いた。ソメイヨシノは本当にはなやかで、身も心もはなやかな気分に誘われる。
　　　　何だかだいいつつやはり花の王ソメイヨシノの天を占めたり
　　　　幾度見も飽きることなき桜かな池を見つむる児の頬赤し
　　　　ヒヨドリのなぜか桜にとまりたりどこより早々飛びきたれりや
　むろん、私が目にしたのは桜だけではない。幾度も幾度も訪れてきた豊国神社や妙行寺を今回も訪れ、帰りついたのはゆうに半日を費やしていた。いうまでもなく、心中にわだかまっていたフラストレーションもいつのまにか解消し、雲散霧消していた。お膝元にこうした園が存在するってのは本当に有り難いことですね。
　　　　　　　　　　　　（２０１５年３月３１日）