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Channel: 古代史の道
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長母寺

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 昨日の一文で、東区の高岳院、含笑寺、長久寺、長母寺の4寺を半日でまわってしまったことを告げた。私にとって寺院は神社と異なって関心の対象でも研究の対象でもない。ありていに言えば、観光スポットであり、楽しみの対象である。
 さて、4寺の中で最も引きつけられたのは長母寺(ちょうぼじ)だった。まわった4寺はすべて東区の73寺から選んでおいた寺ばかりなので、それなりに古刹、名刹の部類に入る寺だろうと思う。が、長母寺にひときわ高く心惹かれたのは実に単純な理由だ。創建年代が一番古い。これである。先般訪問済みの建中寺を含めた他の4寺が西暦1528~1651年の約百年ほどの間に創建されたのに対し、長母寺の創建は治承3年(1179年)。ざっと350年以上も遡るのである。各寺の訪問内容については機会があったら綴るつもりでいるが、ここでは感想のみにとどめておこう。
 治承3年といえば、頼朝が征夷大将軍に任ぜられた時よりもさらに10年余も前のことである。つまり、長母寺は一頭群を抜く古刹なのである。矢田川の高台に立地された長母寺はそれなりに広大な境内に恵まれ、古刹に相応しい規模を有していた。
 私が不思議でならなかったのは、鎌倉幕府をさらに遡るほどの古刹でありながら、長母寺の名はあまり知られていない点である。少なくとも、この私はやっと最近知るようになったばかりである。むろん、古さばかりが名刹の条件ではなかろう。創建者、規模、宗派、寺格その他様々な要素があるのだろう。が、この私には創建年代こそが最大にして最高の価値に思われてならない。
 そんな私の目には、今回の寺めぐりで、長母寺の名称と実在を知ったことは一つの収穫だった。他に誇りうる古刹はそれだけで貴いと言わざるを得ない。
    名も知らぬ寺も今より支えかな古き貴き長母寺知りて
           (2015年4月26日)
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