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Channel: 古代史の道
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下流老人

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 「下流老人」という言葉が流行りだした。同名の著書による造語の由である。著者の藤田孝典の定義によれば、下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」のことである。
 さて、「下流老人」という言い方がいいかどうか分からない。というのはこれまでもそういう老人はいたからである。生活保護基準相当者は老人ばかりでなく、若い人も、つまり全世代にわたっているからである。
 なので一番問題なのはそういう老人が増加し続けていることだろう。高齢化社会到来に伴う社会問題の一つと考えてよい。この問題は真剣になって対策を考えないと、大変なことになる。本来、高齢化社会の到来は慶賀すべき現象である。それが社会的負担となるようなことになれば本末転倒に相違ない。
 個々人の問題としてとらえれば、人は誰しも高齢化を迎えることが分かっている。五体満足は例外的な人で、大多数の方々はどこかに支障をきたし、寝たきりになる人もいる。それは思っていた以上に早く到来し、若い内から老後に備えた様々な対策を打っておかないと間に合わないくらいである。
 そこで、問題は、高齢者を群と捉え、いわゆる社会問題と受け止めることである。その人々の多くが生活保護基準相当者に陥るようなことになれば、それは慶賀すべきことではなく、反対に未来のない暗い現実になって若者に迫ってくる。
 どう対策を打ったらいいのか私には良案が思い浮かばないが、少なくとも「下流老人社会」などというありがたくない名の社会にしてはならない。そんな社会が待っている、ということになっては明るい未来はない。
           (2015年9月25日)
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