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眼病平癒

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 本日寺巡りを再開した。足元のなかむらくに在中する陵雲寺(りょううんじ)と願成寺(がんじょうじ)を訪ねた。願成寺では住職が不在と見受けられたが、第24世全寮が書き記した「願成寺縁起」をいただくことが出来た。帰宅して読んでみると大変な寺であることが分かった。おそらく世間には知られていないだろう事が記されていた。
 第一の驚きは本寺は天平4年行基によって開基されたという。天平4年といえば、何と奈良時代の初期に遡る。第二の驚きは第45代聖武天皇及びその第二皇女孝謙天皇の勅願所として権勢を誇った由である。孝謙天皇が眼病を患い、本寺にお祈りされて平癒した由。驚きの第三はそれに安堵された天皇が勅願寺として30町(9万坪)もの敷地を賜ったということ。第四の驚きはそれほどの名刹が八百年もの長い間荒れ放題になり、そして第五の驚きは、が、もういいだろう。本欄は寺の縁起を詳述する場ではない。
 薬師堂に祭られている赤栴檀(しゃくせんだん)で彫られた薬師如来立像(60センチ)は行基作ということだが、まさに国宝級の宝物であろう。
 私は眼病にさいなまれ、偶然に訪れた寺が眼病平癒のゆかりの寺だったとは。不思議なことがありますねえ。それも、すぐ足元の中村区(高須賀町24番地)に開かれていたとは。第24世全寮が書き記した「願成寺縁起」をいただくことが出来て初めて知ることが出来た孝謙天皇ゆかりの寺。願成寺の別称は願成就寺というらしいが、眼病平癒の願いがかなった所から付けられた名であろう。
 実際に足を運んでみる。思いも寄らなかった事実を知ることができる。神社にしろ、名刹にしろ、ひょっと思いついて訪ねてみたら、何か天に導かれたみたいに偶然に出合う。何はともあれ、偶然に眼病に苛まれていた身だったので、なんだか狐に鼻をつままれたような気分になった。
           (2015年12月25日)
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