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Channel: 古代史の道
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西洋ヒイラギ

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 本日、路傍で西洋ヒイラギと思われる樹木に出合った。元来私は植物より鳥が好きで、若い頃はバード・ウオッチングにちょこちょこ出かけてはそれに興じていた。ところが近年私は遠方に出かけて珍鳥を探したり、あるいは木陰や浜辺で野鳥の現れるのを待つのが億劫になってきた。シャッターチャンスを忍耐強く待ち続ける気力が薄れてきたのかも知れない。
 代わって花々や果実の美しさに息を呑むようになった。とりわけ初めてみる樹木や草花に魅せられる。今回の西洋ヒイラギがその一つである。
 高木にもかかわらず、小さな赤い実を、あちこちに固まってつける姿は殺風景な冬場を鮮やかに彩ってくれる貴重な存在だ。
   今年また季節めぐり来生きている我れありがたき西洋ヒイラギ
   寒風の吹きすさぶ中つぶつぶの紅き実つけし西洋ヒイラギ
   戦慄に西洋ヒイラギ風受けて天に抗せり春遠からじ
   立春を過ぎて装いし紅き実のドレス美し西洋ヒイラギ
 私は車を降りてわざわざヒイラギに近づき、見事な装いに見とれた。殺風景な中に全身紅い粒々の実をまとって立つ気品あふれる一人前の女性。そんな強烈なインパクトを感じ、帰宅してきてから上記のような短歌群が生まれ出てきた。
 見知らぬ樹木の実に接すると、こうした新鮮な気持ちに浸ることが出来る。この世に神はいるともいないとも私には判然としない。が、今年も地球は太陽の周囲を公転し、確実な歩みで春を迎えようとしている。生きとし生ける私たちの多くが太陽の恵みを受けて輝く春を。それを神と呼んで悪い道理はない。その力を如実に知らしめてくれるもの、それが今回の西洋ヒイラギとの出会いであった。
              (2016年2月10日)
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