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Channel: 古代史の道
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献血が趣味

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 先日、英会話クラブの行事で、短い、Free Talkingの時間があり、私はあるメンバーと話す機会を得た。お互いに自己紹介を交わしたとき、彼は言った。
 「僕の趣味は献血なんですよ」
 えっである。わが耳を疑った私は即座に問い返した。
 「何ですって、献血が趣味?」。
 献血といえば、数年に一回しか行った経験しかない。職場に献血車がやってきて乗り込み、献血するのだが、私の記憶によれば、献血車がやってくるのは数年に一回。いくら多くても年に一回だった。そんなものが趣味?。が、何度聞き返しても答えは同じだった。「献血が趣味」で、それが唯一の趣味。他に趣味はないという。
 話を聞いてみると、献血は二週間に一回行っているという。そんなに頻繁に行っても大丈夫ということだそうである。血小板成分献血と血漿成分献血とあって、合計で24回以内なら大丈夫だという。
 「なぜそんなに献血するんですか」と聞くと、彼は答えた。
 「楽しいからでしょうね。敢えて言えば、こんな僕でも、人の役に立っていると思えるからかな」
 私には返す言葉がなかった。この私には「敢えて言えば、人の役に立っていると思えるからかな」などと言えるような経験はなかったし、思ったこともなかったからである。
 時間の限られたFree Talking。これ以上のことは聞けなかった。彼の名も職業も知らない上に、例会に滅多に顔を出さないメンバーだった。今後いつ話す機会があるか分からない。「敢えて言えば、人の役に立っていると思えるからかな」とは何と格好いい言葉だろう。が、自分にはこんな格好いい言葉を吐けるだけの持ち合わせがない。
            (2016年7月15日)
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