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Channel: 古代史の道
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桃の実

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 去年の3月末、近在の手打ちそば屋さんに出かけた折り、桃の花に出会った。モコモコとして暖かい感じの花だった。昨日、相棒と一緒にやはりそのそば屋さんに寄った。むろんソバが食べたくなって寄ったわけだが、私にはもう一つ目的があった。モコモコとして暖かい感じの花を咲かせていた、あの桃の木はどうなったんだろう、という思いだった。
 むろん、3月~4月にかけて咲く花の季節はとっくに終わっている筈。だが、桃の木自体はある筈で、どんな木なのだろうと気にかけていた。私は花が散った後の桃の木を全く見たことがなく、一度是非お目にかかりたいと思っていた。
 さて、白状すると、久方ぶりに見る木のせいか、どれが桃の木なのか分からなかった。教えてくれたのは相棒だった。
 「あ、これ桃だよね。小さな実がついている」
 見ると、なるほど梅の実ないし一回り大きい程度の実をつけていた。桃の木に相違なかった。私は期待をこめて応じた。
 「桃の子はこんなに小さいんだ。これが、あの立派な桃になるんだろうね」
 私の頭に浮かんでいたのは、スーパーで見かける、両掌にずっしり重い、あの豊満な実だった。なんだか弱々しそうな葉っぱだが、これが本当にあの豊満な実になるのだろうか。スーパーで見るほど立派じゃないにしろ、桃は桃。あの実がこの木にぶら下がるんだ、と想像するだけで楽しくなる。
 「来月になったら見に来なくちゃなんないね」
    豊満な桃ぶら下がる時近し笑いさざめく乙女の気配
    いち早くはちきれん胸揺らし過ぐ乙女呼び来る桃の実近し
 桃の実の時節到来が待ち遠しくなるようないっときだった。
           (2016年7月22日)
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