Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

段ボールのチビ

日々つれづれ-13トップへ
 排水管取り替え工事が完了してから五日間が経過した。ところがここに思わぬ副産物が出現した。段ボール箱である。工事に備えて食器類等々雑多な物を一時収容した段ボールだ。整理終了後、一箱を残して捨てたのだが、残した一箱が今回の思わぬ副産物だ。
 猫を飼ったことがある人ならよくご存じのことと思うが、猫は狭いところが好きで、隙あらば入り込もうとする。これまでも、チビくんが部屋の扉の隙間から別室に入り込み、あるいは着替えに服を選ぼうと洋ダンスを開けたときいつの間にか隅っこに入り込んだりした。これはほんの一例で、机の下、和ダンスの背後、テレビの陰等々、ともかく暗くて狭いところに入り込む。そのたびにチビを探し回るのに幾度泣かされてきたことか。チビは滅多に鳴くことがなく、鳴いても蚊の鳴くような小さな声でニャっと短く声を発するのみである。
 さて、そんなチビに格好の場所を提供することになった。それが今回工事に備えて使用した段ボール箱である。工事中から隙あらばとばかりに段ボール箱に入り込んでいたが、試しに一箱を残してみた。すると、チビは毎日そこに入り込み、じっとするようになった。数十分じっとしていて出てくるが、ときには数時間も体をまるめてじっとしている。雑物の一時収容に使用した段ボールが、チビの休憩所に早変わりしたのである。
 大きさがいっぱい一杯で丁度いいのか、チビはよほど気にいったらしい。私の目から見ると、窮屈でしょうがないように見える。が、狭いところに入り込むのは猫の本能なのか中に入り込んでなかなか動こうとしない。
   人ならば身動きならぬ窮屈さされど嬉しげ猫うずくまる
   人ごとに居場所あるやも箱の猫そを語るごとうずくまりをり
 こんな短歌ができるなんて相棒チビくんに感謝である。
              (2016年10月19日)
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 1


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

Trending Articles