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Channel: 古代史の道
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好機到来

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 退職後何をしたらいいか、思い悩む人が多いようだ。これは生き甲斐の問題でもあるが、私の場合はあまり思い悩んだ経験がない。常に何かをやっていないと落ち着かない性分だからであろうか。先ず第一に、長い間働いてきたのだから趣味に興じて余生を楽しめばよいといった常識的な回答が思い浮かぶ。
 が、こういう考え方は出来ないだろうか。出来れば現役時代に生き甲斐(やりたいこと)を見付けておく。退職後はそれに没頭する。それを楽しみにして働くのである。こうすれば自分にとって仕事は生活の手段であると同時に、その後へのステップになり、余念を持たず、仕事に集中出来る。つまり、余生を楽しむのではなく、ポスト退職後こそ自分の充実した時間だと考えるのである。そのために普段から生き甲斐(やりたいこと)にかかわる知識その他を磨いておく。
 これは理想である。私の場合だと、古代に興味があったが、離島めぐりだの神社めぐりだの寺めぐりだのといった趣味の域にも届かないことに時間を費やしてきた。今、使命感に似た気持ちで取り組んでいる万葉集は、5年ほど前まで無関心、少なくとも読む気さえ起きなかった。注釈ばかりで、結局のところ、本棚の肥やしになっていただけだった。
 ところが今はすべての経験が万葉集の読解に役に立っていると感じている。古代史の知識はもとより、離島だの神社だのを巡ったことまで、古代人の心情をうかがう上で欠かせない経験になって私を助けている。若い頃から歌や俳句をそれなりに実作したことまで同じ実作者として相通ずるものを感得でき、決して無駄な経験にはなっていない。
 私が生き甲斐(やりたいこと)に出会ったのは遅きに過ぎたきらいがあるが、それでもポスト退職後に充実感を覚えている。もっと早く見つかっている人ならいっそう充実感を抱いていよう。余生ではなく、チャンス到来と考えることは出来ないだろうか。
           (2016年11月5日)
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