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Channel: 古代史の道
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豊洲移転

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政治経済等時事問題おしゃべり
 東京都が豊洲問題で揺れている。ここ名古屋に直接関係する事柄ではないが、どの政策にも陽と陰の部分があり、ここ名古屋に全く無関係とは言い難い。なので、ひとこと。
 さて、ご承知のように、豊洲市場は東京都の中央卸売市場として計画された。現行の築地市場が手狭になったり、老朽化したりしてきたので、計画された。東京都の中央市場だけあって、その関連経費は莫大である。ざっと4000億円もの巨費がかかると見込まれている。用地取得費2000億円、建設費1000億円等々である。
 規模や経費の巨大さは、引っ越し費用だけでも100億円弱もの経費がかかると見込まれていることから想像がつく。ただし、一部に誤解があるかと思うので、一言付加しておくと、これら諸経費は企業会計の独立採算性のため、使用料等からまかなわれ、直接、税金が使われるわけではない。
 2004年7月に「豊洲新市場基本計画」が策定されているので、もう13年近くも前から始まっているわけである。一部に土壌汚染の問題があって、建設反対運動もあったが、築地市場の老朽化で問題山積は避けられず、計画は着々と進められた。工事も完了し、移転間近に迫った昨年(2017年)7月31日に行われた都知事選挙で、小池百合子新知事が誕生すると、状況は一変した。
 一部建設反対派の意見に左右されたか否か定かでないが、「都民ファースト」を叫んで小池さんは豊洲移転に待ったをかけたのである。
 4000億円もの巨費がかかった施設、その移転を延期すると言い出したのだ。「えっ」と大方の人は我が耳を疑ったに相違ない。知事にはそんな権限があるのか、と・・・。
 私が驚いたのは、小池新知事の行動よりも、大方のマスコミの対応である。「そうだ、そうだ、問題だ」の大合唱だ。12年以上にわたって議論され、進められてきた大事業が、急に、「そうだ、そうだ、問題だ」の大合唱。土壌汚染問題は今に始まったことではなく、もう13年余も前から続いている問題だ。そういう問題を抱えながらも、築地から豊洲への移転は不可避だとして進められてきた事業ではなかったのか。ストップするだけならいつでも、どの知事でも出来た筈だ。これまでにどこのどのマスコミが「そうだ、そうだ、問題だ」と叫んだのだろう。石原知事が辞めたのは2012年。以降、猪瀬知事、桝添知事、小池知事と三代も変わっている。猪瀬知事や桝添知事の時代に事業を進めたのに問題はなかったのか、事業をストップするなら、一刻も早くストップさせた方が、よほどいいではないか。それを完成した今になって、「そうだ、そうだ、問題だ」では、あまりにも問題意識が無さ過ぎるではないか。
 いまさら、建設も始まってもいない時期の知事だった石原さんを、証人に呼び出してあれこれ言うのはどうか、という気がしてならない。小池さんに振り回されることなく、経緯も現実も考慮に入れて、冷静に報道していただきたいと思うのである。
 石原さんの肩を持つ訳ではないが、今となっては一刻も早く移転できるように考えるのが、小池知事及びマスコミ各社のあり方なのではないかと考える次第である。
              (2017年3月22日)
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