Quantcast
Channel: 古代史の道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

へちま寺

$
0
0
日々つれづれ-14トップへ
 昨日、不意にご教示いただいたへちま薬師寺東充寺を訪ねた。私は、寺というのは、大日如来、阿弥陀如来、薬師如来等々仏の化身を本尊として祀っている所と理解していた。したがって、へちまを如来として崇めるのは珍しいなと思って、訪ねる気になった。
 先日の千光寺の件があるので、すぐ見つかるかな、とかすかな不安があった。が、すんなり到着した。近在に多くの寺がある土地で、その一画に門を構えていた。小さな寺であったが、本堂は多くののぼりがはためいてにぎにぎしかった。早速参拝し、後にあらためて見ると、なるほど、多くのへちまが奉納されていた。へちまが薬師如来とは本当に珍しいなと思った私は、寺務所に寄って、呼び鈴を押し、いきさつを訊ねた。奥様とおぼしき方が、応対に出て、説明の代わりに一枚の印刷物を渡して下さった。
 帰宅して、その印刷物を読むと、「当寺は西山浄土宗に属し、~、本尊は阿弥陀如来なり」とあり、「そうか、なるほど」と妙な安心感を覚えた。ところが、後を読むと、「当山第16世温空上人がにわかに疝痛に見舞われ、一人の老僧によるへちま加持によって治癒」という意味のことが記されている。疝痛(せんつう)とは激しい腹痛のことである。
 これによって、緒人の病に資すべく薬師如来としてへちまを用いた旨記されている。実際に、へちまはセキやタンを沈め、利尿や月経過多に効用があるらしい。さらに、心臓病、喘息、腹痛、頭痛などにも効くとされていたようです。
 まさに、へちまには薬用の効能があるとされ、このことが薬の仏様(薬師如来)として定着したらしい。
 いやあ、寺には色々な寺があるものですね。へちまが薬師如来とは、いいですね。こんな寺がひとつくらいあっても、罰はあたらない。仏教と衆生の結びつきにはこんなところにも深いものがあると知りました。
           (2017年4月2日)
イメージ 1

イメージ 2


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

Trending Articles