チューリップ

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　４月に入って雨や雨模様の日が多く、すっきり晴れ上がった日は少ない。私の記憶では東別院を訪れた５日、一昨日と昨日のわずか三日しかない。つまり、晴れ上がった日を逃したら、次はいつやってくるか分からない状況だ。
　そこで、私は、５日の東別院行きに続いて、昨日は貴重なチャンスとみて、近在をかけずり回った。目的は春の花を満喫するためである。桜はいうに及ばず、ユキヤナギ、モモ、チューリップ、パンジー等々を探して見て回った。
　そうした花々の中で、私の目を引いたのは、中村公園内で見かけた赤いチューリップだった。チューリップ自体は珍しくない。ピンク、濃赤、黄色、白等々様々の色のチューリップが近在の家の玄関先を飾っていた。が、中村公園内で見かけたチューリップは同じ大きさ、同じ赤色の花がズラリと一列に並んでいた。
　カメラにすべて納まらなかったが、おそらく３０本近く並んでいた。カメラに納まっているだけでも、２０本近くある。白い小花と一緒に植わっているので、まるで、小学生の運動会の赤組の隊列のように見えた。というより、春がズラリと並んでいるような不思議な感覚に襲われた。なんとか歌にしようと歌作に誘われたが、なんと表現していいか分からず、その日には思いつかなかった。
　一晩寝て、やっとまとまったのが次の歌である。万葉歌風にいえば、「チューリップに寄せて思いを述べる歌」である。
　　チューリップずらりと並ぶいっせいに春呼び寄せて語らうごとく　（桐山芳夫）
　　赤帽の運動会の学童やチューリップ咲くマーチに乗って　　　　　（桐山芳夫）
　春は幾度経験してもいいですね。
　　　　　　　　　　　（２０１７年４月１５日）