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Channel: 古代史の道
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紫陽花

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 ここ名古屋も梅雨に入った。梅雨で思い起こすのは何と言っても紫陽花だ。そしてその紫陽花で思い起こすのは名古屋城の外堀だ。愛知県庁を出てすぐ南に大津橋という橋がある。その外堀に沿って、100メートルほどにわたって紫陽花が植えられている。これは公務員生活の最後となった愛知県にお世話になっていた頃のことなので、もう十年余も前のことになる。幾十年も経っているわけではないので、今でも当時と変わらず、咲き誇っているに相違ない。
 紫陽花は6月頃に最盛期を迎える花なので、梅雨がよく似合う。実際、けぶる雨中に美しく色づき、見事に花を咲かせる。が、最盛期が6月頃ということであって、雨が降らないと駄目というわけではない。事実、空梅雨の年でも美しく見事な花を咲かせ続ける。
 改良が進み、多種多様、多彩な花を開いて私たちを楽しませてくれる。が、何と言っても、紫ないし青色の紫陽花が紫陽花らしくて美しい。
    いつのまに紫陽花咲きぬ気が付けば傘さし長引く三人話   (桐山芳夫)
    雲天に目をやる余裕ないままに紫陽花に落つ傘の雨粒    (桐山芳夫)
    傘さして行き交う女性なぜか皆紫陽花のごと清く美し    (桐山芳夫)
    窓外に紫陽花の見ゆ万葉集放置したまま眺めていたり    (桐山芳夫)
    寄り添って紫陽花の咲く名城の外堀歩むいでなつかしや   (桐山芳夫)
 かくて、紫陽花は歌心を刺激し、すらすらと短歌が口をついて出てくる。身近で、あちこちに咲き誇り、本当に親しみやすい花である。こうして机に向かっていると、路傍に見かけた青い紫陽花が浮かんできて、じっとしていられなくなる。六首目、七首目、八首目と私にしてはまだまだ歌作の材料が尽きそうにない。寝不足にならないよう、この辺で紫陽花のことは頭からおさらばしなければならない。
            (2017年6月10日)
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