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Channel: 古代史の道
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香久山

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 前回、愛知牧場に向かう途中で香久山という地名に出合って驚いたと記した。
 ご承知のように、香久山といえば、奈良県橿原市(かしはらし)に存在する大和三山のひとつで、畝傍山、耳成山と並ぶ山。神聖な山とされている。えっ!その香久山が日進市に!。驚かないのは私ばかりではあるまい。橿原市の香久山と何かいわれがあるのか、ないしは何らかの関連があるのか、頭に刻みつけておいた。
 さて、天の香具山は小倉百人一首の一つの歌として有名。「春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」という歌である。その元歌は新古今集巻三に175番歌として採録されている。四十一代持統天皇御製歌。もっとも、真の元歌は万葉集28番歌であって、「春過ぎて夏来たるらししろたへの衣ほしたり天の香具山」がその歌である。「夏きたるらし」が「夏来にけらし」に、「衣ほしたり」が「衣ほすてふ」と変更されている。新古今集が成立したのが1200年代になってからで、万葉歌とは実に五百年も隔たっている。天皇御製歌ガ五百年後に変更されるなど考えられないことだが、本文では言及しないで、先を急ごう。
 日進市の「香久山」であるが、ちょっと調べたところ、驚いたことに明治21年まで存在しなかったようだ。明治22年に赤池村、浅田村、梅森村、野方村、折戸村、蟹甲新田村の6か村が統合され、その際に香久山村が誕生したというのである。香久山村の名称はさきに紹介した小倉百人一首から取ったようである。
 つまり、新しい村名であって、神聖な山とされる奈良県橿原市の香久山とは何の結びつきも関係もないらしいと分かった。何らかの結びつきを期待した私は、正直、肩すかしをくらった思いに捉えられ、がっかりした。むろん、土地の命名は自由で外部から意義を差し挟む筋合いのものではない。が、古代から続く香久山かと思うと、うーむ、である。
             (2017年9月24日)
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