Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

年の暮

日々つれづれ-15トップへ
 きょうはクリスマス・イブである。七、八年前の私ならクリスマス・ツリーを飾ったり、クリスマスソングを歌ったり、ケーキやローソクで祝う一員だった。が、近年は次第に気分が乗らなくなり、昂揚しなくなってきた。
 クリスマスという行事が厭になったわけではない。こう見えても不肖の輩ながら、若い頃は教会にしばしば通い、聖書も新約聖書はもとより、旧約聖書も読み通すほどだった。クリスチャンというにはほど遠い私であったが、とにかく教会にはしばしば通って、牧師の説教に耳を傾けた。
 こんな私だったが、いつのまにか教会から次第に足が遠のいた。今思うに、私はキリスト教の根本命題たる純潔についていきがたいものを覚えたのだと思う。
 それはさておき、私は自分が日本人そのものだと思い始めた。神社を訪れると、どこか気分が落ち着き、平穏になる。屋根瓦の家屋を見ると親近感を覚える。天照大神を始め日本の神々は少しも説教臭くない。天照大神が、外では裸踊りを踊るのを見て神々が騒ぐので、戸の隙間からのぞく行為など、まさに人間の行為そのものだ。
 今年も師走が押し詰まり、待望のお正月を迎える。迎春である。「一年の計は元旦にあり」という、もっとも日本的な行事を迎えようとしている。
   幾度目の迎春なるや飽きもせず餅を買いきてテレビにそなう   (桐山芳夫)
   ささやかはささやかなりに春を待つこのうえウグイス鳴けば天国 (桐山芳夫)
 むろん、年内に一つや二つ駄文をお目に掛けるつもりだが、なにかと師走は気分がせわしく、なかなか落ち着いた気分になれない。そしてそれが歳末である。
     あれもこも言いつつ出来ず年の暮  (桐山芳夫)
     行く年ややたらと人にメールする  (桐山芳夫)
             (2017年12月24日)
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 1


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

Trending Articles