裏方さん

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　今月に入ってから一度も「万葉集読解」を発表出来ていない。相棒の母の入院その他もろもろあって滞っている状況である。これは言い訳めいているが、暇を見つけては着々と進めている。
　少しでも「万葉集」に手を染めたことがある人ならお分かりいただけようが、実は９割方は単純作業なのである。肝心の歌の分析や思索等々読解に費やす時間は一割以下に過ぎない。一応読解が完了した今、「単純作業は無いはずだが」と思われる向きもあるかと思う。が、取り組んでいるのは、頭注部分を入れ込むことと長歌の追加なのだが、単純作業は意外に多く、手間取っている。
　単純作業とは主として原文と訓読み文の入力である。手元にある４種の文献を見比べながら入力していく作業なのだが、これまでは逐一入力しては読解していたが、今頃になって、入力作業はある程度まとめて行おうと考えたのである。いわば裏方作業だが、この単純作業を手伝ってくれる人がいると助かるのだが、と思う。むろん、何の見返りもない作業を手伝う人などいる筈もない。第一、一円にもならない万葉集の読解をこつこつとやっていること自体がある意味馬鹿げているのである。が、そうした無償の行為だからこそ、価値があると思っている。
　こんな裏方作業も巻１０まで済んでやれやれである。今後はスピーディに進むと意を強くしている。
　誰の手助けもなく、一円の報酬もなく、長年の成果を実らせようと、ある意味馬鹿げたことに挑む。そういう人間が一人ぐらいいないと、日本文化の源泉を万人のものに出来ないのじゃないか、と勝手に思い込み、作業を進めている。決して諦めているわけではない。なので、乞うご期待（？？？）である。
　　　　　　　　　　　　　（２０１８年２月７日）