Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

苦あれば楽あり

日々つれづれ-11トップへ
 前回、自分で勝手に命名した勝手体操について記した。今回はその続きである。厳冬期でも半袖シャツ一枚。「寒くないのか」って?。どういたしまして、寒い。「肌がピリピリと強ばって、あなた、耐えられませんぞ」である。と、一発脅かしておいて、実をいうと、暑くも寒くもないのである。私の温度センサーが鈍なせいもあるのだろうが、毎朝の習慣になっているので、それが当たり前になっているせいか、暑かろうと寒かろうと、さして苦痛を覚えなくなっているのである。
 ただし、ただしである。不思議というか奇妙というか、あまり苦痛を覚えないのは起きて数時間の寒い時間、すなわち半袖シャツ一枚の姿になっている間のことなのである。起きて数時間経った頃、10時半前後に通常の服装に身を包むのだが、この時間になると、急に激しい寒さに襲われるのである。ブルッと身震いする寒さである。「それまで半袖シャツ一枚になっていた自分」が「どこかやせ我慢をしていた自分」に思えてきて、厭な気分に見舞われるのである。つまりこの時になって急に寒さを覚え、苦痛感を味わうのである。が、苦痛感はほんの数分で終わり、後に極楽の時間が待っている。こんな場合に使う言葉ではないだろうが、「苦あれば楽あり」である。
 どういうことかというと、セーターを着込み、ベストに袖を通し、ズボンをはいて上着を羽織るとほっとした気分になるのだが、しばらくすると、体がほっかほかと火照り出すのである。まるで風呂からあがってきた時のように温かく、ご機嫌になる自分が分かるのである。つまり極楽である。それが一時間近く続く。私が数時間も半袖シャツ一枚のまま過ごすのも、ひょっとすると、この極楽を味わいたいがためなのかもしれない。
 「苦あれば楽あり」、単純に出来上がっている私は頭っからこれを信じて、30年余も同じ事を繰り返しているだけかもしれない。
         (2015年1月8日)
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 1


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1223

Trending Articles