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日本中至る所で「令和」、「令和」で沸き返ったゴ-ルデンウイ-クも最終日を迎えた。大の人混み好きな私のこと、去年までの私ならどこかの人混みに紛れていたに相違ない。が、今年の私は人混みどころか外出そのものがおぼつかない。
ところで、新元号「令和」の考案者とされる国文学者の中西進氏は富山市で開かれた「万葉集とその未来」と題して特別講演会が持たれた由である。その中で、氏は「令和」の「和」について聖徳太子が制定されたと伝えられた憲法十七条に言及された由である。
4月30日付けの本欄で述べたように「令和」の出所は815番歌の序文である。関係部分の原文は「于時初春令月氣淑風和」である。梅花を見るには「初春の素晴らしい時期、空気は澄み風はやわらかにそよぐ」絶好の時を意味している。
間違いとは言えないが、「令和」の「和」だけに焦点を当てて、十七条憲法第一条の「和を以て貴しとなす」を持ち出すのはいかがだろう。漢字は一字だけを取り出すのは、色々な意味があってどこか違和感が漂う。国文学の第一人者たる中西進氏。実際に特別講演を拝聴したわけでもない私。意見などとても言える輩ではないが、「令和」の「令」一文字に焦点を当てて云々するようなことにもなりかねない。
結局結論は中西進氏の説くところと同じになろうが、「初春の素晴らしい時期、空気は澄み風はやわらかにそよぐ」絶好の時、という原意を素直に受け止めておきたい。
その原意に相応しく、一般参賀もデパートの大売り出し合戦も、日本中「春の素晴らしい時期」に遭遇したかのごときだ。令和の時代は「穏やかな風がやわらかにそよぐ」絶好の船出となった。
春たけなわやわらかな風そよぐごとくに令和船出す (桐山芳夫)
(2019年5月6日)
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日本中至る所で「令和」、「令和」で沸き返ったゴ-ルデンウイ-クも最終日を迎えた。大の人混み好きな私のこと、去年までの私ならどこかの人混みに紛れていたに相違ない。が、今年の私は人混みどころか外出そのものがおぼつかない。
ところで、新元号「令和」の考案者とされる国文学者の中西進氏は富山市で開かれた「万葉集とその未来」と題して特別講演会が持たれた由である。その中で、氏は「令和」の「和」について聖徳太子が制定されたと伝えられた憲法十七条に言及された由である。
4月30日付けの本欄で述べたように「令和」の出所は815番歌の序文である。関係部分の原文は「于時初春令月氣淑風和」である。梅花を見るには「初春の素晴らしい時期、空気は澄み風はやわらかにそよぐ」絶好の時を意味している。
間違いとは言えないが、「令和」の「和」だけに焦点を当てて、十七条憲法第一条の「和を以て貴しとなす」を持ち出すのはいかがだろう。漢字は一字だけを取り出すのは、色々な意味があってどこか違和感が漂う。国文学の第一人者たる中西進氏。実際に特別講演を拝聴したわけでもない私。意見などとても言える輩ではないが、「令和」の「令」一文字に焦点を当てて云々するようなことにもなりかねない。
結局結論は中西進氏の説くところと同じになろうが、「初春の素晴らしい時期、空気は澄み風はやわらかにそよぐ」絶好の時、という原意を素直に受け止めておきたい。
その原意に相応しく、一般参賀もデパートの大売り出し合戦も、日本中「春の素晴らしい時期」に遭遇したかのごときだ。令和の時代は「穏やかな風がやわらかにそよぐ」絶好の船出となった。
春たけなわやわらかな風そよぐごとくに令和船出す (桐山芳夫)
(2019年5月6日)