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松尾芭蕉についてだが、私の参考文献は「芭蕉文集 去来抄」(昭和60年小学館発行)(以下「小学館本」と略称。)及び「芭蕉発句全集(全1066句)」(WEB山梨県立大学、以下「芭蕉発句全集」と略称。)を中心に、その他諸々である。
印象というのは、ほかでもない。一般に芭蕉は俳聖と呼ばれ、孤高の天才で、文字通り孤独であった。その俳句は深く、象徴性が高いと称賛されている。基本的にそうした評判に私も異論はない。
が、孤高の天才というのはいかがだろうというのが私の印象である。「孤高」というのは孤独で「独り高い」という意味だが、私は、芭蕉は意外に人好きだったのではなかったのか、と思うのである。そしてそのbasyou 心情は庶民的で、それをうかがわせる発句の例はいくらもある。一例だけあげると、芭蕉には次のような一句がある。
酒のめばいとど寝られぬ夜の雪
芭蕉43歳の冬、江戸の深川庵に居を構えていた頃の発句である。庵でたった独り、独酌したが、孤独は平気と言っていた自分がなかなか寝付かれず、雪夜にもんもんとしていた、という句である。
そもそも、芭蕉は門人に囲まれ、旅に出る時は門人を伴って出立している。芭蕉に限らず、人は孤独に弱く、寂しがりやなのである。「芭蕉も人の子」。これが私の芭蕉に対する第一印象である。
雪の朝見舞客来て誰か不喜 (桐山芳夫)
(2019年5月15日)
松尾芭蕉についてだが、私の参考文献は「芭蕉文集 去来抄」(昭和60年小学館発行)(以下「小学館本」と略称。)及び「芭蕉発句全集(全1066句)」(WEB山梨県立大学、以下「芭蕉発句全集」と略称。)を中心に、その他諸々である。
印象というのは、ほかでもない。一般に芭蕉は俳聖と呼ばれ、孤高の天才で、文字通り孤独であった。その俳句は深く、象徴性が高いと称賛されている。基本的にそうした評判に私も異論はない。
が、孤高の天才というのはいかがだろうというのが私の印象である。「孤高」というのは孤独で「独り高い」という意味だが、私は、芭蕉は意外に人好きだったのではなかったのか、と思うのである。そしてそのbasyou 心情は庶民的で、それをうかがわせる発句の例はいくらもある。一例だけあげると、芭蕉には次のような一句がある。
酒のめばいとど寝られぬ夜の雪
芭蕉43歳の冬、江戸の深川庵に居を構えていた頃の発句である。庵でたった独り、独酌したが、孤独は平気と言っていた自分がなかなか寝付かれず、雪夜にもんもんとしていた、という句である。
そもそも、芭蕉は門人に囲まれ、旅に出る時は門人を伴って出立している。芭蕉に限らず、人は孤独に弱く、寂しがりやなのである。「芭蕉も人の子」。これが私の芭蕉に対する第一印象である。
雪の朝見舞客来て誰か不喜 (桐山芳夫)
(2019年5月15日)
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