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昨日、今日の二日間、作家や詩歌に携わった人々の生没年と特記事項を調べていた。一例だけ掲げると次の通りである。
★三島由紀夫(ミシマユキオ)、1925年01月14日~1970年11月25日、45歳没(1970年陸上自衛隊市谷駐屯地に籠城。割腹自殺。金閣寺、潮騒、豊饒の海、サド侯爵夫人他)。
これを松尾芭蕉以下82人にわたって調べ整理した。選定の方法は何のことはない。私が20代の頃夢中になって愛読した作家、詩人たちである。さすがに疲れた。
目的はふっと老成について一文を弄しようと思ったからである。老成とは人生経験を積んで老熟になることである。最近は小説や詩歌から遠ざかっているが、20代の頃は老成が分からなかった。当たり前じゃないかって。ただ私自身は何となく分かったつもりであった。が、具体的には何のことか分からなかった。夏目漱石のように、年を重ねるごとに作品に進化がみられるということはあるが、例外だ。一般に、総じて終生変わらない作品を残している。
作品は各作家の心情の反映である。個性が大きく変わることはある筈はないのだ。平均没年齢は62歳。しかも作品は集中の中で生み出される。老成は言葉ほど感じられない。私は62歳を遙かにオーバーしている。とっくの昔に老成していておかしくない。否、老成していなければおかしいのだ。
ところがわが精神生活は少しも老成していない。好奇心にあふれており、進歩する筈もないのに、まだ進歩するつもりでいる。いわば「やんちゃ坊主」がまだ残っている。
こんなことを考えると、人はそれぞれ、石川啄木や金子みすずのように20代で早くも夭折した芸術家もいれば、高浜虚子や志賀直哉のように80代に入っても活躍した人もいる。これは活力の問題なのではないか。下手に老成を意識すれば退歩につながってしまうのではないか、これが現在の私の老成感である。
(2015年10月17日)
昨日、今日の二日間、作家や詩歌に携わった人々の生没年と特記事項を調べていた。一例だけ掲げると次の通りである。
★三島由紀夫(ミシマユキオ)、1925年01月14日~1970年11月25日、45歳没(1970年陸上自衛隊市谷駐屯地に籠城。割腹自殺。金閣寺、潮騒、豊饒の海、サド侯爵夫人他)。
これを松尾芭蕉以下82人にわたって調べ整理した。選定の方法は何のことはない。私が20代の頃夢中になって愛読した作家、詩人たちである。さすがに疲れた。
目的はふっと老成について一文を弄しようと思ったからである。老成とは人生経験を積んで老熟になることである。最近は小説や詩歌から遠ざかっているが、20代の頃は老成が分からなかった。当たり前じゃないかって。ただ私自身は何となく分かったつもりであった。が、具体的には何のことか分からなかった。夏目漱石のように、年を重ねるごとに作品に進化がみられるということはあるが、例外だ。一般に、総じて終生変わらない作品を残している。
作品は各作家の心情の反映である。個性が大きく変わることはある筈はないのだ。平均没年齢は62歳。しかも作品は集中の中で生み出される。老成は言葉ほど感じられない。私は62歳を遙かにオーバーしている。とっくの昔に老成していておかしくない。否、老成していなければおかしいのだ。
ところがわが精神生活は少しも老成していない。好奇心にあふれており、進歩する筈もないのに、まだ進歩するつもりでいる。いわば「やんちゃ坊主」がまだ残っている。
こんなことを考えると、人はそれぞれ、石川啄木や金子みすずのように20代で早くも夭折した芸術家もいれば、高浜虚子や志賀直哉のように80代に入っても活躍した人もいる。これは活力の問題なのではないか。下手に老成を意識すれば退歩につながってしまうのではないか、これが現在の私の老成感である。
(2015年10月17日)
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