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身近な存在

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 私にとって一番身近な存在は相棒とチビ君である。
 相棒とはもう15年ほどになる女性フレンドである。彼女は私より30歳余も若い、いわば娘のような存在だ。15年ほどのつきあいということからお分かりのように全くの友達づきあいだ。が、この関係がいつまでも続くという保証はない。早い話彼女が結婚でもすればそれまでということになる。私の求めているのは私の関心事(古代史や短歌)に多少なりとも理解のある相棒である。望むらくは協力し合えないかという相手である。今の相棒に不満があるわけではない。むしろ娘のような彼女がこの老体によくぞ話し相手になってくれるもんだと感謝に耐えない。他方、年齢のことより無関心なので踏み込めない。結婚して妻という一番身近な存在になったとしてもいつ破綻するか分からないご時世だ。 なので、私の望みは全くのないものねだり、いる筈もない相手を求めているわけで笑止千万だ。それを百も承知で、広い世間、協力し合える相手がいないものかなあ、とこれはある意味わがままで得手勝手な空想物語である。
 もう一方のチビ君の方だが、飼い猫君である。こちらはいくらか文章にも書いたのであらためて詳細を披露することはあるまい。もう10年余の同棲者だ。が、こちらもいつまでも続くという保証はない。早い話、死去したら一巻の終わりである。
 なぜ、こんなことを綴ったかというに、一番身近な存在さえいつ別れがやって来るか分からないと、告げたかったからだ。人生は悲哀だ。今の現状がどれだけ有り難くどれだけかけがえのない瞬間だったとしても、次の瞬間にはどうなるか分からない。悲哀が口をあけて待っている。さりとて何をしても意味がないとはいいたくない。自分の出来る範囲で人の役に立つことはないか。今の私には万葉集の読解だ。各自様々だろうが、それこそが、各人にとって最も身近な存在なのではあるまいか。
           (2015年10月27日)
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