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カボチャの花

日々つれづれ-10トップへ
 昨日ちょっとした雑用で車を走らせていたら、たまたまザクロ園の前を通りかかった。ザクロの樹は一本なのでザクロ園と呼ぶのは奇妙だが、ザクロ好きな私には別の名が思い浮かばない。一ヶ月ほど前立ち寄った際は、ザクロはまだ真っ赤に色づいていなかった。が、こぼれんばかりに多くの実を付けたザクロに出会い、ご機嫌な気分になった。
 あれから一ヶ月余、あのザクロはどうなったんだろう。気になった私は車をとめて立ち寄ることにした。すると、ザクロは予想以上に真っ赤に色づいていた。見事というしかない。近々に一文をと思うが、今回はカボチャの花。えっ、カボチャ?。そうそう。
 ザクロの実の様子を見に立ち寄った筈なのに、真っ先に我が目を奪われたのはカボチャの花だった。なぜそれがカボチャの花だと分かったかというと、自分でも分からない。見た瞬間、本能的にカボチャの花と思ったのである。だからひょっとすると、違う花なのかも知れない。カボチャの花を見た記憶はなく、じっくり眺めた記憶もない。にもかかわらず、「あっ、カボチャだ」との直感は九分九厘まちがいないように思われる。
 何に惹かれたかというと、その色彩である。よく目立つその色彩である。黄色は実に派手な色である。空間を切り取ってきて浮き上がって見えるような色である。黄信号と言われながら信号機には橙色が使われている。おそらくこれは、肝心の青や赤よりも強く目を引いてしまうからではなかろうか。
 ところがどっこい、カボチャの花の色は実に穏やかでやわらかい。写真を掲げておくのでじっくり眺めてみて頂きたい。ひらひらした薄い花びらといい、かすかにほんのり赤みがかった、その色合いのやわらかさは得も言われぬ美しさではないか。それでいて、黄色い花なのでよく目に付く花なのである。どんな天才画家といえども、この色合いの微妙さは表せないだろう、と感じてしばし見入ってしまったのである。
              (2014年9月27日)
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