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「鷺を烏と言いくろむ」ということわざがあるようだ。あまり耳にした記憶はないが、
「黒を白と言いくるめる。」あるいは「白を黒と言いくるめる。」と同意のことわざだ。英語では「to make black white」という。むろん、その意味からして好い方に使われることはない。特に政治家の討論を聞いていると、黒を白と言いくるめ合っているように思われてならない。
が、「鷺を烏と言いくろむ」のは人間の本源に思われる。ざっくり言うと、嘘をついたり言い訳をするのは人間の本源というわけだ。アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが「桜の木を切ったのは僕です」と正直に答えたという逸話が作られるほど、正直は希有なことなのである。カラスは黒いばっかりに悪の象徴のように言われるのは、カラスにしてみれば大迷惑だろう。
そこで、こういうことになる。嘘や言い訳はけしからんと、相手を一方的に攻めるだけでは問題の解決にはならない。とりわけ政治家の嘘や言い訳は巧みでうまく言い逃れられるのがオチとなる。それは人間の本源であると知れば、一方的に攻めるだけではなく、他方ではその理由を考える余裕が必要となる。なぜ相手は「そんな嘘をつくのか言い訳をするのか」を考えなければならないことになる。単純な正義感だけでうまくいかないのはむしろ自然なのである。胸に手を当ててよく考えてみて欲しい。「けしからん、けしからん」と責め立てている、その当の本人は嘘や言い訳をしたことはないのかと。そんなことは絶対にあるまい。大なり小なり、誰しも嘘や言い訳を繰り返しつつ生きてきている。「サギをカラスと言いくるめる」のは人間の本性と知れば、もう一回りも二回りも視野を大きく持って、相手の本意を把握するように務め、問題の本質は何かを探り出さないと、解決の糸口が見えてこないように思われる。
(2017年6月28日)
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「鷺を烏と言いくろむ」ということわざがあるようだ。あまり耳にした記憶はないが、
「黒を白と言いくるめる。」あるいは「白を黒と言いくるめる。」と同意のことわざだ。英語では「to make black white」という。むろん、その意味からして好い方に使われることはない。特に政治家の討論を聞いていると、黒を白と言いくるめ合っているように思われてならない。
が、「鷺を烏と言いくろむ」のは人間の本源に思われる。ざっくり言うと、嘘をついたり言い訳をするのは人間の本源というわけだ。アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが「桜の木を切ったのは僕です」と正直に答えたという逸話が作られるほど、正直は希有なことなのである。カラスは黒いばっかりに悪の象徴のように言われるのは、カラスにしてみれば大迷惑だろう。
そこで、こういうことになる。嘘や言い訳はけしからんと、相手を一方的に攻めるだけでは問題の解決にはならない。とりわけ政治家の嘘や言い訳は巧みでうまく言い逃れられるのがオチとなる。それは人間の本源であると知れば、一方的に攻めるだけではなく、他方ではその理由を考える余裕が必要となる。なぜ相手は「そんな嘘をつくのか言い訳をするのか」を考えなければならないことになる。単純な正義感だけでうまくいかないのはむしろ自然なのである。胸に手を当ててよく考えてみて欲しい。「けしからん、けしからん」と責め立てている、その当の本人は嘘や言い訳をしたことはないのかと。そんなことは絶対にあるまい。大なり小なり、誰しも嘘や言い訳を繰り返しつつ生きてきている。「サギをカラスと言いくるめる」のは人間の本性と知れば、もう一回りも二回りも視野を大きく持って、相手の本意を把握するように務め、問題の本質は何かを探り出さないと、解決の糸口が見えてこないように思われる。
(2017年6月28日)