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今回は、ガラスの小玉及び円窓付土器に続いて紡織用具を取り上げよう。、朝日遺跡関連エッセイのパート3である。そして、朝日関連はこれで最後である。これは別に興味深い遺物が他にないからではない。たとえば、銅鐸、巴形銅器、パレススタイル土器等々興味深い遺物に事欠かない。が、私のエッセイの長い読者なら先刻ご承知のように、類似の事柄をエッセイに取り上げるのは三回までと決めている。それは善し悪しの問題ではなく、エッセイに対して抱いている私の美学が許さないのである。
紡織に使用する縫い針については国の特別史跡として有名な青森市の三内丸山遺跡からエイのとげ製の縫い針が出土していて、縄文時代からすでに縫い針の存在が確認されている。が、今回朝日遺跡から出土した縫い針に私が心惹かれたのはほかでもない。本ブログにも掲載してあるように、名古屋市黒川周辺に集中する繊維関係神社と目される式内社(延喜式神名帳登載神社)が集中し、古代に渡来系の人々が集団で繊維街を形成していた可能性が高いことを論じたことがあるからである。
弥生時代以前から縫い針が使用されていたとは驚きだが、縫い針の存在は、ただちにそこには、糸と縫うべき布が存在していたことを物語っている。事実、朝日遺跡からは布目のあとがくっきりと残された紡錘車が出土しているのである。糸巻き機も出土している。
近年の発掘技術やそれに伴う考古学の進展には目を見張るものがある。腰に布をまとっただけの原始人のイメージは三内丸山遺跡などから大きく揺らいでいる。が、瞥見した朝日遺跡の遺物群だけでも意外に高度な生活をしていたらしい古代人の姿が垣間見えるのである。私たち、現代に生きている人間も、その文明や文化は古代人とかけ離れているわけではないことをそろそろ認識すべき時にきているのではないか。今回の資料館訪問を終えてこのことを強く思い知らされた気がしたのである。
(2014年11月3日)
今回は、ガラスの小玉及び円窓付土器に続いて紡織用具を取り上げよう。、朝日遺跡関連エッセイのパート3である。そして、朝日関連はこれで最後である。これは別に興味深い遺物が他にないからではない。たとえば、銅鐸、巴形銅器、パレススタイル土器等々興味深い遺物に事欠かない。が、私のエッセイの長い読者なら先刻ご承知のように、類似の事柄をエッセイに取り上げるのは三回までと決めている。それは善し悪しの問題ではなく、エッセイに対して抱いている私の美学が許さないのである。
紡織に使用する縫い針については国の特別史跡として有名な青森市の三内丸山遺跡からエイのとげ製の縫い針が出土していて、縄文時代からすでに縫い針の存在が確認されている。が、今回朝日遺跡から出土した縫い針に私が心惹かれたのはほかでもない。本ブログにも掲載してあるように、名古屋市黒川周辺に集中する繊維関係神社と目される式内社(延喜式神名帳登載神社)が集中し、古代に渡来系の人々が集団で繊維街を形成していた可能性が高いことを論じたことがあるからである。
弥生時代以前から縫い針が使用されていたとは驚きだが、縫い針の存在は、ただちにそこには、糸と縫うべき布が存在していたことを物語っている。事実、朝日遺跡からは布目のあとがくっきりと残された紡錘車が出土しているのである。糸巻き機も出土している。
近年の発掘技術やそれに伴う考古学の進展には目を見張るものがある。腰に布をまとっただけの原始人のイメージは三内丸山遺跡などから大きく揺らいでいる。が、瞥見した朝日遺跡の遺物群だけでも意外に高度な生活をしていたらしい古代人の姿が垣間見えるのである。私たち、現代に生きている人間も、その文明や文化は古代人とかけ離れているわけではないことをそろそろ認識すべき時にきているのではないか。今回の資料館訪問を終えてこのことを強く思い知らされた気がしたのである。
(2014年11月3日)
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