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昨日一宮市の七夕祭に出かけた。昨年に続く一宮行である。宮城県仙台市、神奈川県平塚市と並ぶ三大七夕祭とうたわれる七夕際だ。
昨年相棒に誘われたとき、あまり乗り気ではなかった。ごったがえす人混みの中をおぼつかない足取りで歩き回る自信がなく、相棒に迷惑をかけたくなかったからだ。が、今年は気持が前向きだった。体力的には昨年よりきつくなっているが、人混み好きの血が騒ぎ、じっとしていられなかった。
日曜日だったせいなのか、予想以上の人々でごった返していた。織物の街一宮市らしい、豪華な布で飾り立てられた七夕飾りは昨年に劣らなかった。いただいだ団扇によると、七夕祭は今回で62回目。戦後まもなくしてから、始められ、えんえんと途切れることなく続けられてきたに相違ない。
さて、相棒は婦人服の店に入って色とりどりの服を見立て始めた。私もついて入ったが、店員に「椅子はありませんか」と訊ねた。歩き回ってさすがにしんどく、休憩するつもりだった。店員は最奥に私を案内し、丸い腰掛けを指して言った。「ここにお座り下さい」、そうして、しばらくして何と思ったのか、「お嬢さん」で言葉を切り、「ですよね」と続けた。私ははっとした。似ていないから父と娘に見えなかったのは当然だ。もう15年ほどもつき合っているが、金銭的な援助はしてこなかった。食事くらいは私がもっているが、その余は別々だ。洋服代やカバン代くらいは出さないと。そう思ってはっとしたのである。私は彼女を手招きして言った。「僕がおごるから、二着でも三着でも好きなのを選んで」。彼女は「えっ」という表情をした。私の精一杯の誠意だ。
七夕祭が身近すぎる相棒を、あらためて意識するきっかけになった。こんな老体とつきあってくれているだけでもありがたいことだ。一宮七夕祭、ばんざい!
(2017年7月31日)
昨日一宮市の七夕祭に出かけた。昨年に続く一宮行である。宮城県仙台市、神奈川県平塚市と並ぶ三大七夕祭とうたわれる七夕際だ。
昨年相棒に誘われたとき、あまり乗り気ではなかった。ごったがえす人混みの中をおぼつかない足取りで歩き回る自信がなく、相棒に迷惑をかけたくなかったからだ。が、今年は気持が前向きだった。体力的には昨年よりきつくなっているが、人混み好きの血が騒ぎ、じっとしていられなかった。
日曜日だったせいなのか、予想以上の人々でごった返していた。織物の街一宮市らしい、豪華な布で飾り立てられた七夕飾りは昨年に劣らなかった。いただいだ団扇によると、七夕祭は今回で62回目。戦後まもなくしてから、始められ、えんえんと途切れることなく続けられてきたに相違ない。
さて、相棒は婦人服の店に入って色とりどりの服を見立て始めた。私もついて入ったが、店員に「椅子はありませんか」と訊ねた。歩き回ってさすがにしんどく、休憩するつもりだった。店員は最奥に私を案内し、丸い腰掛けを指して言った。「ここにお座り下さい」、そうして、しばらくして何と思ったのか、「お嬢さん」で言葉を切り、「ですよね」と続けた。私ははっとした。似ていないから父と娘に見えなかったのは当然だ。もう15年ほどもつき合っているが、金銭的な援助はしてこなかった。食事くらいは私がもっているが、その余は別々だ。洋服代やカバン代くらいは出さないと。そう思ってはっとしたのである。私は彼女を手招きして言った。「僕がおごるから、二着でも三着でも好きなのを選んで」。彼女は「えっ」という表情をした。私の精一杯の誠意だ。
七夕祭が身近すぎる相棒を、あらためて意識するきっかけになった。こんな老体とつきあってくれているだけでもありがたいことだ。一宮七夕祭、ばんざい!
(2017年7月31日)
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