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鳥獣戯画

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 前回の英会話クラブの例会(7月29日)で主要テーマが鳥獣戯画だった。どんなものなのか私は全く知らなかった。が、遠い遠い過去、「高等学校時代の歴史の教科書に載っていたよな」というかすかな記憶がよみがえった。
 大方のメンバ-がそうだったらしく、顔を見合わせて怪訝な表情をした。「戯画」とあることからして、「こっけいな絵のことだろう」くらいしか考えが及ばなかった。スクリーン上に絵が示されて、ストーリーを適当に考えなさいというのが、担当者の注文だった。ウサギだのキツネだのサルだのの動物が擬人化されて描かれている様子だったので、それに合わせた滑稽話を適当に即作して私の任をなんとか果たした。
 さて、帰宅してWEBで少し調べてみて驚いた。京都の栂尾(とがのお)町にある世界遺産の古刹で、鳥獣戯画は、栂尾山を山号とする高山寺が所蔵する国宝だというのである。なるほど、そんな宝物なら歴史の教科書に載っていて不思議はない。興味のある向きは各自お調べいただくとして、ここでは平安時代後期から鎌倉時代にかけて描かれた、滅法古い戯画が巻物に描かれたもの、とだけ記しておこう。
 いわば、わが国最初の戯画ないし漫画といってよいもので、恐ろしく人気があるようだ。すなわち、茶碗、皿、壺、扇子、着物の柄等々、幅広く利用され、なんと切手にもなっているのである。これほど幅広く取り込まれ、利用されている世界に誇る戯画。こんな逸品なら、高等学校の歴史の教科書に載っていたのも当たり前である。無関心とは恐ろしい。世界に誇るこれほどの国宝も見たことがない。それどころかその名前さえ全く記憶の底に埋没していたのである。恥ずかしながら、後期高齢者の身になるまで全く知らなかったわけだ。まだまだ知らないことが一杯あり、興味は尽きない。こんなことでは簡単には死ねないな、と思った次第である。
             (2017年8月2日)
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