必死の追い込み

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　現在、私は必死になってやっていることがある。言わずとしれた万葉集の長歌の追加である。が、それが今大変な状況になっている。全面書き直しという状況だ。
　実は、当初、長歌の部分を単純に追加すればよいと考えていた。私らしいといえば私らしいが、長歌の追加だけなら一年もあれば終了するだろうと安易に考えてスタートした。ところが、長歌と反歌（短歌）は一対となっているのがほとんど。必然的にすでに書き終わっていた反歌も書き直さなければならなくなった。５年も前の自分の文章も気にいらないので、結局全面的に書き直さざるを得ない事態に追い込まれた。
　５年もかかって書いた長い長い文章。その全面書き直しとなれば、気が遠くなるような作業だ。一年で終了は厳しくなったが、必死になって予定どおり一年以内に完成させようと力を注いでいる。
　主として前半部分（巻１から巻１０）の書き直しだが、さすがに長い長い長文。うんざりしないと言ったら嘘になる。けれども、読者の方々も徐々に増加しているのを感じるので、約束は破りたくないし、使命感と思って続けている。さらに、そうした読者がおられることを励みにして続行し、来年夏までに何とか終えたい。その暁には後文を予定しているが、その後文が書ける日の来るのを楽しみにしている状況である。
　私はよくよく考えて開始するタイプではなく、走りながら考えるタイプなので、こうした事態はよく招来する。つまり今に始まったことではない。が、それにしても、万葉集のような長大な作業中にこうした事態に見舞われるとは。読者の方々から「ばっかじゃないの」と言われても仕方がない。
　やはり、物事を始めるとき、思いつきに近い形で始めるといけません。私のように追い込まれて必死になる羽目になる。
　　　　　　　　　　　　　（２０１７年９月１日）