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昨夜の英会話クラブ例会で配付されたテキストは認知症にまつわる小話だった。認知症といえば、65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症及び軽度認知症に罹患しているとされている。実に860万人余の人々である。しかもそれが今後ますます増加すると見込まれているのだ。
さて、配付された小話の内容だが、ざっと要約して紹介してみるとこうである。
ある看護師はアルツハイマーを煩った老人のケアーを幾年にもわたって行う職に携わってきた。が、いくら患者たちとコミュニケーションを取ろうとしても困難で、ついには諦めて患者たちが心地よく過ごせるように気を遣い、死んでいくのを待つ気持になった。この病院に見舞いに訪れる人々はほとんどなく、家族の人々からも忘れ去られた状況だった。そんな病院に毎日毎日、朝訪れて数時間いて病室を去る一人の老人がいた。これが何年も続き、老人自体が弱ってきたのを見て、看護師は話しかけた。「この人はあなたが誰であるか全く分かっていません」。しばらくして老人(患者の夫)は答えた。「確かに彼女は私が誰か分かっていません。でも、私は彼女が誰であるか分かっています」。
最後の返答を英語で記すと、
She doesn’t know who I am、but I know who she is.
私は、この回答にぐっと胸がつまる思いがした。認知症にかかった妻を毎日毎日、病院に見舞いにやってくる行動。これは誰にも出来ることではない。そしてこういう行為は、どんなに立派な美辞麗句を並べてみても足元にも及ばない。夫婦愛というか、人と人との最高にして究極の結びつきは、この老人の行為に尽きている。この小話をテキストに選んだ担当者に謝意の言葉を贈りたい。
(2017年9月3日)
昨夜の英会話クラブ例会で配付されたテキストは認知症にまつわる小話だった。認知症といえば、65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症及び軽度認知症に罹患しているとされている。実に860万人余の人々である。しかもそれが今後ますます増加すると見込まれているのだ。
さて、配付された小話の内容だが、ざっと要約して紹介してみるとこうである。
ある看護師はアルツハイマーを煩った老人のケアーを幾年にもわたって行う職に携わってきた。が、いくら患者たちとコミュニケーションを取ろうとしても困難で、ついには諦めて患者たちが心地よく過ごせるように気を遣い、死んでいくのを待つ気持になった。この病院に見舞いに訪れる人々はほとんどなく、家族の人々からも忘れ去られた状況だった。そんな病院に毎日毎日、朝訪れて数時間いて病室を去る一人の老人がいた。これが何年も続き、老人自体が弱ってきたのを見て、看護師は話しかけた。「この人はあなたが誰であるか全く分かっていません」。しばらくして老人(患者の夫)は答えた。「確かに彼女は私が誰か分かっていません。でも、私は彼女が誰であるか分かっています」。
最後の返答を英語で記すと、
She doesn’t know who I am、but I know who she is.
私は、この回答にぐっと胸がつまる思いがした。認知症にかかった妻を毎日毎日、病院に見舞いにやってくる行動。これは誰にも出来ることではない。そしてこういう行為は、どんなに立派な美辞麗句を並べてみても足元にも及ばない。夫婦愛というか、人と人との最高にして究極の結びつきは、この老人の行為に尽きている。この小話をテキストに選んだ担当者に謝意の言葉を贈りたい。
(2017年9月3日)
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