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Channel: 古代史の道
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マイナンバー

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 必要があって、中村区役所に「明日は何時から開きますか」と電話した。すると「きょうは日曜日ですが、たまたま開庁日に当たっていて、来て頂ければきょうでもいいですよ」と言われた。日曜日でも開ける日を設けたのか、と私は驚いた。市民サービスの一環で始めたのだろうが、時代の流れに合わせて、役所も随分変わったもんだ、と驚いたのである。いい変わり方なので歓迎。早速私は今朝、中村区役所を訪れた。私のつもりではマイナンバーカードを提示すればOKだろうとカードを探し出して持参した。
 幾度か往復してマイナンバーカードの交付を受けた。「便利になる、便利になる」と鐘や太鼓で大騒ぎしたが、これまで一度もカードを使ったことがない。いよいよ、マイナンバーの便利さを実感する機会がやってきたかと少しワクワクした。
 が、実態は大きく異なっていた。「印鑑証明」を求めると、「印鑑登録証を見せて下さい」という。営々と半世紀以上続けられている方法だ。私はとまどった。印鑑証明など10年も20年も必要になったことはなく、したがって印鑑登録証などどこにしまい込んだか記憶にない。帰宅して探してみたが見つからない。「実印を持参して下さい」と言われ、登録証の紛失届けだの、印鑑登録交付申請書だのを要求された。「マイナンバーカードの提示では駄目ですか」と言っても、あくまで印鑑登録証が必要とされた。実に、本人よりも印鑑登録証がものを言うのである。「印鑑登録証は滅多に使わないから亡くした人も多いでしょうね」と聞くと、担当の職員は「そうなんですよ」と答えた。
 本人そのものの代わりになるのが、マイナンバーカードではなかったのか。「便利になる、便利になる」と鐘や太鼓で大騒ぎしたのは何だったのか。私は、私本人の代わりにならないマイナンバーカードを見つめ、激変するこの時代に逆行する、旧態然とした現行制度に釈然としないものを覚えた。
              (2017年10月1日)
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