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Channel: 古代史の道
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狐の顔

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 一昨日、所用があって中村区役所に寄った後、ふらっと秋晴れのフラリエ(旧名ランの館)に立ち寄った。昨日はほぼ終日雨だったので、行っておいてよかったわけだ。
 フラリエは名古屋のど真ん中にあって、絶好の憩いの場だ。駐車が道路になっていて、60分しか停められない。一年ほど前に訪れており、一歩中に入ると、いっぺんに懐かしさがこみ上げてきた。私の目的は菊とコスモスだった。秋が本格化してきて、手近にあるフラリエで、まず、菊とコスモスにお目にかかろうと思った。
 ところが、一歩中に入ったとたん、花だか実だか分からない奇妙な植物に出合った。どこかで出合った植物のようで、私の記憶をくすぐるものがあった。よくよく記憶をたどると、フラリエだ。まさにここフラリエで出合った植物と確信した。前回フラリエに来たのは一年ほど前のこと。そのとき喫茶店の店員にその植物の名を訊ねた記憶がある。何という名の植物だったのだろう、再度訊けばいいものを、一度訊いたことを訊ねるのは癪にさわるので、なんとか思いだそうとした。我ながら妙なことにこだわるものですね。
 帰宅寸前にやっと思い出した。フォックスフェイス、そう、フォックスフェイスだ。狐の顔に似ているので、そう名付けられた黄色い実だ。確かナス科の仲間だ。ランも菊もダリアもすっかり忘れ去り、フラリエ内を歩きながら、何だろう、何だろうと問い続けた。しかも、帰路についてからも問い続け、我が家の前に至るまで思い出せなかった。おかげで、何の為にフラリエまで行ったのか分からないことになってしまった。
 狐が顔を寄せ合ったように実をつけた様子は強烈で、私の記憶のどこかに残っていたわけだ。それにしても、強烈な印象を受けた、その植物の名を思い出せなかったなんて、人間の記憶、いやいやこの私の記憶なんて本当にあてにならない。恥ずかしながら、ここに告白することにした。
             (2017年10月3日)
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