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同窓会に出て

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 一昨日、最後になるかも知れないと思いながら高等学校の同窓会に出席した。出席者は多くなかろうな、と予測して会場に到着した。果たして出席者は少なく、男性8人女性1人の9人だった。幹事からこれまでの情報をまとめた用紙を手渡された。それによると、今回を含めて会は11回行われ、前回までは11~16人が出席していた。今回は最少の9人だった。クラスの卒業生は51人なので、20%を切ったことになる。連絡不能者11人、故人6人を考慮すると、34人が連絡可能ということになる。つまり4人に1人しか出ていないことになり、やはり9人は少ない。高等学校の同窓会はだいたい出席者は4人に1人くらいなんだろうか。出席できただけでも健康な証拠でありがたい。そう思いつつも寂しさを禁じ得なかった。
   同窓会一人二人と減ってゆく神の摂理と知りても侘びし  (桐山芳夫)
   帰路に咲く水仙ひともと同窓の顔に見えたり秋の風吹く  (桐山芳夫)
 周囲の知人も友人も減っていくに相違ない歳を迎えながら、同窓会は数少ない集会のひとつと思って出席したが、話題は老境の侘びしや健康問題に局限された。「おれはこれをやっている」、「私はこれを続けていくつもり」といった話題は出てこなかった。A君は言った。「いまさらじたばたしたって仕方がない。これからは人生をできるだけ楽しまなくっちゃあ」と言った。そのとおりなんだろうが、「できるだけ楽しまなくっちゃあ」という文脈にあきらめきったニュアンスが感じ取られ、「そのとおり」と思いつつ、どこか寂しさや物足りなさを禁じ得なかった。
   最後まであがきつつ生く本望よ思い秘めたる我が意がうれし  (桐山芳夫)
 もっとも、こんな思いを口に出せば、座がしらけてしまうことは目に見えている。なので口に出せないが、「生涯研究だ」に賛意を表して下さる人もいると思う。
             (2017年11月13日)
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