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熱田神宮の奥深さについて一文を弄するのはこれで最後である。前回記したように、熱田神宮は『古事記』や『日本書紀』にその名が見える屈指の古社である。それを念頭に置いて神宮の鳥居を眺めてみよう。
鳥居は東門、西門、南門に設けられている。通常、私たちは鳥居に注目することは少ない。人々の多くは通常、西門ないし東門から入って北の本宮を参拝し、そのまま帰宅する。が、実は参道をまっすぐ南下した神宮の端の南門(第一鳥居)が、正門なのである。なので、本来は第一鳥居をくぐって北の本宮に進むのが本筋である。
鳥居は神社の出入り口と考えられている。間違いとは言わないが、境内と境外を区切る出入り口と単純に言えない。熱田神宮の場合、第一鳥居(南門)をくぐって参道を北上していくと、第二鳥居が現れる。つまり、境内に鳥居が立っている。第二鳥居をくぐって進むと、さらに第三鳥居が見えてくる。その鳥居をくぐって本宮に達する。鳥居が境内と境外を区切る出入り口というなら、境内にある第二、第三鳥居の存在は説明できない。境内に鳥居があるのは私の印象では由緒深い古社が多い。そして熱田神宮は日本屈指の古社。
神宮の鳥居は極めて素朴簡明。一番上に笠木と呼ばれる板状の木がまっすぐ横に横たわっている。その笠木を左右二本のがっしりした丸太の柱で支えている。笠木が反り上がっているわけでも、装飾が施されているわけでもない。門というより、潜り戸という風情である。神宮鳥居のこうしたシンプルさこそ、古くからの伝統を映し出しているように見える。参道の途中に第二、第三の鳥居が設けられているのも神社本来の姿に見える。
その他熱田神宮には日本三大土塀とされる信長塀や不開(ひらかず)の門と呼ばれる清雪門等見るべきものが数多くある。が、三回に達したのでこれでおしまい。
最後に境内にある宮きしめんがやはり単純素朴で美味しかったことを記しておこう。
(2017年12月2日)
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熱田神宮の奥深さについて一文を弄するのはこれで最後である。前回記したように、熱田神宮は『古事記』や『日本書紀』にその名が見える屈指の古社である。それを念頭に置いて神宮の鳥居を眺めてみよう。
鳥居は東門、西門、南門に設けられている。通常、私たちは鳥居に注目することは少ない。人々の多くは通常、西門ないし東門から入って北の本宮を参拝し、そのまま帰宅する。が、実は参道をまっすぐ南下した神宮の端の南門(第一鳥居)が、正門なのである。なので、本来は第一鳥居をくぐって北の本宮に進むのが本筋である。
鳥居は神社の出入り口と考えられている。間違いとは言わないが、境内と境外を区切る出入り口と単純に言えない。熱田神宮の場合、第一鳥居(南門)をくぐって参道を北上していくと、第二鳥居が現れる。つまり、境内に鳥居が立っている。第二鳥居をくぐって進むと、さらに第三鳥居が見えてくる。その鳥居をくぐって本宮に達する。鳥居が境内と境外を区切る出入り口というなら、境内にある第二、第三鳥居の存在は説明できない。境内に鳥居があるのは私の印象では由緒深い古社が多い。そして熱田神宮は日本屈指の古社。
神宮の鳥居は極めて素朴簡明。一番上に笠木と呼ばれる板状の木がまっすぐ横に横たわっている。その笠木を左右二本のがっしりした丸太の柱で支えている。笠木が反り上がっているわけでも、装飾が施されているわけでもない。門というより、潜り戸という風情である。神宮鳥居のこうしたシンプルさこそ、古くからの伝統を映し出しているように見える。参道の途中に第二、第三の鳥居が設けられているのも神社本来の姿に見える。
その他熱田神宮には日本三大土塀とされる信長塀や不開(ひらかず)の門と呼ばれる清雪門等見るべきものが数多くある。が、三回に達したのでこれでおしまい。
最後に境内にある宮きしめんがやはり単純素朴で美味しかったことを記しておこう。
(2017年12月2日)