梅林公園

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　今、まさに諸処で梅が満開である。この時期になると私は岐阜市の梅林公園に出かける。昨日その梅林公園に出かけたのだが、今回で５年連続になる。場所も同行者も全く同じ。私と相棒は、花見にどこかへ出かける場合、日曜祭日は避けることにしている。人混みが多いとゆっくり観賞できないからである。
　梅林公園の場合、通常、ウイークデイは人出がまばら。が、昨日は絶好の快晴下だったせいか例年より人出が多かった。梅は紅梅も白梅も満開、申し分のない梅見びより。
　梅花は桜花より小振りの花で、きゅっと引き締まって見える。そこがまた魅力的で清楚な装いがある。梅林公園についてはこれまでに記していると思うので、今回は梅花に寄せた和歌を作歌してお目にかけることとしよう。
　　人はみなひそやかにして行き交えり清らな梅がかくさせるらむ　　（桐山芳夫）
　　二人して仰ぎ指さす梅の花隣りの二人も同じく仰ぐ　　　　　　　（桐山芳夫）
　　小声にし語らう母子とすれ違う思わず笑みて振り返りたり　　　　（桐山芳夫）
　　白梅にカメラを向けしそのときにウグイス止まれと念じ入るなり　（桐山芳夫）
　　紅梅のこなたに並び咲いてをりあなた白梅咲きそろいをり　　　　（桐山芳夫）
　そして最後に一句。
　　　　のどかさや梅公園に人集う
　こうして、絶好の好天気に恵まれ、往復１００キロほどの長いような短いような梅見の一日が終わった。途中で喫茶店に立ち寄り、きょうの春の一日を振り返った。
　「きれいだったね」
　「意外に人が出ていたね」
　たった、これだけの会話である。が、われわれにとっては、これで十分に意が通じた。
　　　　　　　　　　　　　（２０１８年３月７日）