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最近、英会話クラブの例会でルネ・マグリットが話題になった。ベルギー生まれのシュルレアリスムの画家である。
私は近代絵画が好きで、若いころ、あちこちの美術館に出かけては、マネ、モネ、セザンヌ、ルノワール、ゴッホ等、印象派と呼ばれる画家たちを中心とする色々な絵画を見て回った。そのうちにピカソとゴッホを知り、とまどいを覚えた。各画家の人柄や生涯などへの関心は薄かったので、作品から受ける印象に限られるが、とりわけピカソ作品にはとまどいを隠せなかった。三角や四角の鼻、口、むき出しになった歯などの奇妙な絵が代表作になっていた。さらに、ピカソとは別にシュルレアリスムと呼ばれる画家たちがいることを知り、その関連でルネ・マグリットの名は聞いたことがあった。シュルレアリスムは超現実主義と呼ばれるように、現実離れした作風で、勝手に「奇妙奇天烈な絵だろうな」と思い込み、見てみようとも思わなかった。ピカソでさえとまどう私だったので。
簡単に言ってしまうと、私は超平凡で超常識的人間である。画家に限らず、詩人、音楽家等芸術家に憧れていた。が、芸術家の生涯や行動はとかく波乱に満ち、奇行に彩られていると思い、超常識的人間の自分には向いてないと思い込んでいた。
さて、私はルネ・マグリットの作品を見てみて、驚いた。その作品は驚くほど写実的で、写真を思わせるようなタッチだ。シュルレアリスムどころかリアリズムそのものではないか。写実的と言い直してもよい。ただ、「空中に浮かんだ巨岩」とか「鳥の翼に描かれた雲と空」といったモチーフは確かに現実にはあり得ない光景だ。
他方、彼は銀行員になってつつましやかな生活をし、その行動も極めて常識的で、いわば超平凡な市民だったらしい。この事実を知って、この自分と重ね合わせ、理由はないけれど、どこかほっと救われた思いがした。
(2018年3月11日)
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最近、英会話クラブの例会でルネ・マグリットが話題になった。ベルギー生まれのシュルレアリスムの画家である。
私は近代絵画が好きで、若いころ、あちこちの美術館に出かけては、マネ、モネ、セザンヌ、ルノワール、ゴッホ等、印象派と呼ばれる画家たちを中心とする色々な絵画を見て回った。そのうちにピカソとゴッホを知り、とまどいを覚えた。各画家の人柄や生涯などへの関心は薄かったので、作品から受ける印象に限られるが、とりわけピカソ作品にはとまどいを隠せなかった。三角や四角の鼻、口、むき出しになった歯などの奇妙な絵が代表作になっていた。さらに、ピカソとは別にシュルレアリスムと呼ばれる画家たちがいることを知り、その関連でルネ・マグリットの名は聞いたことがあった。シュルレアリスムは超現実主義と呼ばれるように、現実離れした作風で、勝手に「奇妙奇天烈な絵だろうな」と思い込み、見てみようとも思わなかった。ピカソでさえとまどう私だったので。
簡単に言ってしまうと、私は超平凡で超常識的人間である。画家に限らず、詩人、音楽家等芸術家に憧れていた。が、芸術家の生涯や行動はとかく波乱に満ち、奇行に彩られていると思い、超常識的人間の自分には向いてないと思い込んでいた。
さて、私はルネ・マグリットの作品を見てみて、驚いた。その作品は驚くほど写実的で、写真を思わせるようなタッチだ。シュルレアリスムどころかリアリズムそのものではないか。写実的と言い直してもよい。ただ、「空中に浮かんだ巨岩」とか「鳥の翼に描かれた雲と空」といったモチーフは確かに現実にはあり得ない光景だ。
他方、彼は銀行員になってつつましやかな生活をし、その行動も極めて常識的で、いわば超平凡な市民だったらしい。この事実を知って、この自分と重ね合わせ、理由はないけれど、どこかほっと救われた思いがした。
(2018年3月11日)