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一人住まいで最も怖いのが火の不始末である。実際に不始末を起こせばば大変なことだが、「かも知れない」と思うだけでも恐しい。
現役時代のことだが、一度こんなことがあった。出勤してきて自分の席に腰を落ち着けたとき、「湯を沸かすためにコンロにヤカンをかけたが、ガスは止めたっけ?」という疑念に襲われた。咄嗟に「毎日のこと、切り忘れなんてあり得ない」と打ち消したものの、ひとたび浮かんだ疑念は消えそうにない。生憎その日は私が主催しての大事な会議を控えていた。が、ひとたび浮かんだ疑念と、疑念から生ずる恐怖にいてもたってもいられなくなってしまった。家に一人でも誰かいれば電話一本で確認できるが、それがかなわない独り身の恐怖は、味わったことのない人には分かるまいが、それはそれは恐ろしいものだ。結局、間断なく打ち寄せる不安と恐怖には抗しきれず、一同に会議の延期を告げて、タクシーで家まで往復した。結果は火はとまっていて何事もなかったが、このように、「かも知れない」と思うだけでも恐ろしいのである。
12月は心理的にも火事の恐怖に襲われやすい。火事は出火元だけでも大変だが、類焼の危険性があって、大惨事に発展しかねない。外出の際は念には念を入れて火元を確認してほしいものである。若い頃、消防行政に携わったことがあるせいか、ついつい忠言めいた言い方になってしまったが、お節介だなどと思わないでいただきたい。地震や津波等の大規模自然災害は個人の力では防ぎようがない。が、火事の大部分は火の不始末に基づく人工災害。注意を傾ければ未然に防ぐことが出来るのだ。「外出の際は念には念を入れて」と、くどいようだが、再度申し上げておきたい。「一人住まいの不安」について記すつもろりだったのに、話が出火防止の方にいってしまったが、こちらの方が「一人住まいの不安」などより遙かに大事な事柄だと思うのでお許しいただけよう。
(2014年12月5日)
一人住まいで最も怖いのが火の不始末である。実際に不始末を起こせばば大変なことだが、「かも知れない」と思うだけでも恐しい。
現役時代のことだが、一度こんなことがあった。出勤してきて自分の席に腰を落ち着けたとき、「湯を沸かすためにコンロにヤカンをかけたが、ガスは止めたっけ?」という疑念に襲われた。咄嗟に「毎日のこと、切り忘れなんてあり得ない」と打ち消したものの、ひとたび浮かんだ疑念は消えそうにない。生憎その日は私が主催しての大事な会議を控えていた。が、ひとたび浮かんだ疑念と、疑念から生ずる恐怖にいてもたってもいられなくなってしまった。家に一人でも誰かいれば電話一本で確認できるが、それがかなわない独り身の恐怖は、味わったことのない人には分かるまいが、それはそれは恐ろしいものだ。結局、間断なく打ち寄せる不安と恐怖には抗しきれず、一同に会議の延期を告げて、タクシーで家まで往復した。結果は火はとまっていて何事もなかったが、このように、「かも知れない」と思うだけでも恐ろしいのである。
12月は心理的にも火事の恐怖に襲われやすい。火事は出火元だけでも大変だが、類焼の危険性があって、大惨事に発展しかねない。外出の際は念には念を入れて火元を確認してほしいものである。若い頃、消防行政に携わったことがあるせいか、ついつい忠言めいた言い方になってしまったが、お節介だなどと思わないでいただきたい。地震や津波等の大規模自然災害は個人の力では防ぎようがない。が、火事の大部分は火の不始末に基づく人工災害。注意を傾ければ未然に防ぐことが出来るのだ。「外出の際は念には念を入れて」と、くどいようだが、再度申し上げておきたい。「一人住まいの不安」について記すつもろりだったのに、話が出火防止の方にいってしまったが、こちらの方が「一人住まいの不安」などより遙かに大事な事柄だと思うのでお許しいただけよう。
(2014年12月5日)
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