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一昨日、相棒の彼女を小牧の実家に送っていった後、帰途についた。睡魔に襲われて、脇道に入り、15分ほど仮眠した後、自宅に向かった。たまたま、ある学校の校門の前に出た。一時停止をして校門の横に記してある学校名に目をやった。「西陵高等学校」とある。私の高等学校時代の母校名にそっくり。私の母校は「西陵商業高等学校」で「商業」の文字が入っている。ラグビーの強豪校だ。母校か否か判断に迷ったが、名古屋市内に「西陵」は二つとないだろうと、車を乗り入れることにした。
なにしろ、60年も前に卒業した学校だ。とっくになくなった市電で通っていたのだが、卒業後、一度も訪ねたことがない。 用事もないのに突如、よたよた歩きの老人が入ったらどんな顔をされるだろうと迷いに迷った。が、文字通り、これが最後の機会だ。そう思って思い切って校内にハンドルを切った。緊張感が走った。
校内に車をとめ、放課後のクラブ活動に余念のない生徒の一人に声をかけた。
「僕はここの卒業生だと思う。昔、商業高校だったのだが」と言うと、そばにいた一人と顔を見合わせ、うなずいた。そして、「ラグビーが強い学校」というと「そうそう」と一同は応えた。会話はこれっきり。私の母校にまちがいない。
とたんに私の緊張感はほぐれ、不思議なことになつかしさより、私の実家に足を踏みれた時のような親しみが襲ってきた。私は挨拶だけして帰ろうと校長室に向かった。
きちんと前もって調べて訪れたわけではなく、たまたま走っていたら、校門の前に出たのである。一昔どころか半世紀余も経ってから出くわしたのである。
ふるさとは遠きにありて思うものされど母校はわが庭のごと (桐山芳夫)
不思議やな踏みし母校に萌したる思い親しみばかりなる (桐山芳夫)
私は、母校に出会ったのは神のお導きと思わざるを得なかった。
(2018年6月9日)
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一昨日、相棒の彼女を小牧の実家に送っていった後、帰途についた。睡魔に襲われて、脇道に入り、15分ほど仮眠した後、自宅に向かった。たまたま、ある学校の校門の前に出た。一時停止をして校門の横に記してある学校名に目をやった。「西陵高等学校」とある。私の高等学校時代の母校名にそっくり。私の母校は「西陵商業高等学校」で「商業」の文字が入っている。ラグビーの強豪校だ。母校か否か判断に迷ったが、名古屋市内に「西陵」は二つとないだろうと、車を乗り入れることにした。
なにしろ、60年も前に卒業した学校だ。とっくになくなった市電で通っていたのだが、卒業後、一度も訪ねたことがない。 用事もないのに突如、よたよた歩きの老人が入ったらどんな顔をされるだろうと迷いに迷った。が、文字通り、これが最後の機会だ。そう思って思い切って校内にハンドルを切った。緊張感が走った。
校内に車をとめ、放課後のクラブ活動に余念のない生徒の一人に声をかけた。
「僕はここの卒業生だと思う。昔、商業高校だったのだが」と言うと、そばにいた一人と顔を見合わせ、うなずいた。そして、「ラグビーが強い学校」というと「そうそう」と一同は応えた。会話はこれっきり。私の母校にまちがいない。
とたんに私の緊張感はほぐれ、不思議なことになつかしさより、私の実家に足を踏みれた時のような親しみが襲ってきた。私は挨拶だけして帰ろうと校長室に向かった。
きちんと前もって調べて訪れたわけではなく、たまたま走っていたら、校門の前に出たのである。一昔どころか半世紀余も経ってから出くわしたのである。
ふるさとは遠きにありて思うものされど母校はわが庭のごと (桐山芳夫)
不思議やな踏みし母校に萌したる思い親しみばかりなる (桐山芳夫)
私は、母校に出会ったのは神のお導きと思わざるを得なかった。
(2018年6月9日)