千種公園

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　先日、相棒を東区の歯医者に送り届けた後、千種公園に足をのばした。百合がきれいだと小耳に挟んだからである。公園のぐるりを一周したが、恰好の駐車場が見あたらなかった。うろうろしていると、相棒が歯医者の治療を終えて待たせてしまうことになる。そこで、百合園とおぼしき地点の近くに車を一時停車させ、急いで見てみることにした。写真をとったら、そそくさと車に戻る算段だ。
　公園の一画が百合園になっていて、そこに近づいていってみると、色々な色の百合が咲き誇っていて、見応えがあった。
　百合といえば、鬼百合、姫百合、山百合、白百合等々種類が多いらしい。が、私には、近在で見かける白百合くらいしか記憶にない。が、千種公園には多彩な百合が植えられていた。赤色の百合、黄色の百合、ピンクの百合と、様々な色彩を持つ百合が咲き乱れていた。そんな百合の群落にあって、ひとつ残念だったのは、近在で見慣れている白百合が見あたらなかったことである。ひときわ美しく、印象的な白百合が見当たらないのはどうしてなんだろう。あるいは白百合はどこかに植えられていて、私が見落としてしまったのだろうか。
　　　　百合は白と思い込みしに多彩なる色鮮やかな花に驚く　　　（桐山芳夫）
　　　　我がそばを通りたる人誰もなしその百合園のどこか寂しき　（桐山芳夫）
　本当はもう少しゆったりした気分で観賞したかったのだが、路上に一時停止させてある車が気になってならなかった。かつ、相棒が歯医者から出てきて、いつ連絡が入るかも知れないと思うと、気が気でなく、残念な思いを残したまま、車に戻った。
　　　　気ぜわしく赤や黄色の百合を見る　　　（桐山芳夫）
　気ぜわしいままハンドルを握って歯医者に向かった。
　　　　　　　　　　　　（２０１８年６月２４日）